クロード・モネ《睡蓮の池》(1907)

モネは、光の移ろいを追求するため、自宅の庭に池を作り、そこで一日中写生を行っていた。

1903年から08年にかけては、同じ構図、異なる時間帯で睡蓮を数多く描き、1909年にデュラン=リュエル画廊で開催した個展「睡蓮:水の風景連作」にてそれら48点をまとめて発表した。

《睡蓮の池》はこのときに発表した作品のひとつ。睡蓮が浮かぶ池には周囲の木々や空、雲が映りこみ、鑑賞者は池の外にまで思いをはせることができる。

いずれもクロード・モネ 左:《睡蓮》1907年 和泉市久保惣記念美術館蔵 右:《睡蓮》1907年 DIC川村記念美術館蔵

また、別フロアにてDIC川村記念美術館と和泉市久保惣記念美術館が所蔵する2点の《睡蓮》が特別展示されている。

いずれも、「睡蓮:水の風景連作」に出品していたものでイスラエル博物館の《睡蓮の池》とほぼ同構図。水面に写り込んだ空の色や空気感などを見比べてみよう。

そして、11月30日(火)からは「睡蓮:水の風景連作」に出展されていた、東京富士美術館所蔵の《睡蓮》(1908年)も展示される。

いずれもフィンセント・ファン・ゴッホ 左:《麦畑とポピー》1888年 右:《プロヴァンスの収穫期》1888年

第2章は「自然と人のいる風景」。

交通網が整備され、郊外に行きやすい状況が生まれると、印象派の画家たちは、先人であるバルビゾン派の画家たちのように積極的に郊外に出て絵を描いた。

印象派に影響を受けたゴッホやゴーガンもまた、自然のある風景を独自の視点で描いている。

いずれもポール・ゴーガン 左:《ウパ ウパ(炎の踊り)》1891年 右:《犬のいる風景》1903年