第3章「都市の情景」、第4章「人物と静物」

第3章「都市の情景」では19世紀後半より急速に発展していったヨーロッパの都市景観について画家たちはどのように描いていたのかを辿っていく。

8回開催された全ての印象派展に参加した唯一の画家、ピサロは人々が集うテュイルリー宮庭園や、工場の煙がたなびくセーヌ川の岸辺など、変わりゆく風景を描いた。

いずれもカミーユ・ピサロ 左:《テュイルリー宮庭園、午後の陽光》1900年 右:《ポントワーズの工場》1873年

印象派にも影響を受けたドイツ人画家、レッサー・ユリィは20世紀初頭のベルリンの風景を描いている。

自動車が走り、ネオンの光が夜の町を照らす風景は、当時の雰囲気を巧みに捉えている。

いずれもレッサー・ユリィ 左:《冬のベルリン》1920年代半ば 右:《夜のポツダム広場》1920年代半ば

そして、最終章となる第4章「人物と静物」。人々の姿や日々の暮らしを描きながら、画家たちは新しい表現に取り組んでいった。

展示風景より ルノワールが描いた肖像画

本展は69点の展示作品のうち、なんと59点が初来日。これまで知らなかった作品に多数出会える、刺激にも富んだ展覧会だ。

いずれもエドゥアール・ビュイヤール 左:《長椅子に座るミシア》1900年頃 右:《エセル婦人、ナポリ通り》製作年不詳

開催情報

『イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜―モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガン』
10月15日(金)~2022年1月16日(日)、三菱一号館美術館にて開催