クロード・モネ《睡蓮の池》(1907)
約50万点ものコレクションを所蔵するイスラエル博物館は、印象派の作品が充実していることで世界的に知られている。
三菱一号館美術館で10月15日(金)に開幕した『イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜―モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガン』は、同館のコレクションを通して、印象派が生まれ、発展していった流れを辿れる展覧会だ。
印象派とその前後の作品69点
すべてジャン=バティスト・カミーユ・コロー 左《舟上の釣り人》1870〜1872年 中《魚を運ぶ釣り人》製作年不詳 右《川沿いの町、ヴィル=ダヴレー》1855〜1856年頃
イスラエル博物館は、イスラエルの首都エルサレムに1965年に開館したイスラエル最大の文化施設。
約2000年前に作られたという世界最古の聖書「死海文書」をはじめ、約50万点に及ぶ所蔵品を擁している。
本展はこのイスラエル博物館が所蔵する印象派とその前後の作品69点をもって、画家たちが光をどのように描いていたのか、その系譜をたどっていくものだ。
第1章「水の風景と反映」、第2章「自然と人のいる風景」
左:ギュスターヴ・クールベ《海景色》1869年 右:カール・ピエール・ドービニー《漕ぎ手のいる大きな川の風景》1885年
展覧会は4章構成。
第1章「水の風景と反映」では、印象派に先駆けて戸外に赴き制作を行ったコローや印象派の画家たちの水や水面の描き方に着目し、光をどのように捉えていたかを探る。
いずれもウジェーヌ・ブ−ダン 左《岸辺のボート》製作年不詳 右《潮、海辺の日没》製作年不詳
クールベやブーダン、ドービニーらが描く海や川、水にはそれぞれに強い個性がにじみ出ている。
そして、彼らのものの捉え方は、モネをはじめとする、後の印象派の画家たちに多大な影響をあたえることとなる。
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