冬ダイコンを使った台湾風スペアリブのスープ
一年中食べられるダイコンだが、冬は特にみずみずしくて美味しい。
実は筆者の知り合いが千葉で家庭菜園をやっており、ありがたいことに冬になるといつも立派なダイコンをたくさん送ってくれる。ぶりダイコンにしたり、干して切り干しダイコンにしたりとダイコンづくしの日々のなか、台湾のダイコン料理も作ってみた。
台湾では大衆食堂でよく食べられている排骨湯(スペアリブのスープ)だ。一般家庭でもよく作られていて、私が台湾で暮らし始めた90年代半ば、最初に覚えた中華スープもこれ。
骨付きの豚肉はスープにするとよくダシが出て、すべての具材を美味しくしてくれる。ゴーヤと合わせたり、冬瓜(トウガン)と合わせたり、バリエーションは豊富だが、定番はやはり蘿蔔排骨湯(ダイコンとスペアリブのスープ)だ。
有名な龍山寺がある艋舺(萬華)に地元の人たちに人気の排骨湯専門店がある。
艋舺夜市から少し外れたところに店を構える『梧州街 原汁排骨湯』には、お昼頃から夜8時の短い営業時間中、ひっきりなしに客が訪れる。器に無造作に盛られたゴツゴツの骨付き肉と、味のしみた柔らかなダイコン。
豚骨スープをたくさん吸って、なんとも深い味に仕上がったホクホクのダイコンと、骨からホロっと崩れ落ちるやわらかな豚肉は、ほかでは味わえない上品な一品だ。
いただいたダイコンと一緒に煮込む「排骨」を求めてスーパーへ行き、スペアリブを1パック購入。
骨が多いので、ちょっと分量が多いかな、と思うくらいがちょうどいい。
台湾で暮らしていたときは、よく朝市で店先にぶら下げられた豚肉を買ったものである。新鮮な豚肉には血や毛がついていたが、日本のスペアリブはきれいに処理されていて使いやすいことこの上ない。