女性が再婚することが禁じられた朝鮮時代に、ひそかに再婚させるという風習“ポッサム”を稼業にする男と、間違えて“ポッサム”された王女が繰り拡げるロマンス時代劇『ポッサム~愛と運命を盗んだ男~』。ワイルドな姿を見せたチョン・イルと時代劇初挑戦となったクォン・ユリ(少女時代)の共演も話題となった今作の魅力を解説!

17世紀前半の朝鮮第15代王・光海君の世を背景に、人違いから始まる男女の恋模様と宮廷の権力闘争を描いたロマンス時代劇。寡婦を非合法に再婚させる“ポッサム”という風習を素材にした新鮮なストーリーと、チョン・イル、クォン・ユリ(少女時代)をはじめとする俳優たちの好演が評判となり、高視聴率を獲得し話題を集めた。

これまで時代劇で描かれたことのなかった風習“ポッサム”

『ポッサム~愛と運命を盗んだ男~』© 2021 MBN. All Rights Reserved

幼い息子を抱えたバウはある晩間違えて、光海君の娘であり、重臣イ・イチョムの嫁のスギョンをポッサムしてしまう。慌てたバウはすぐにスギョンを家に帰そうとするが、イチョムの企みによって、スギョンはすでに亡き夫の後を追って死んだことにされ葬式まで出されていた。行き場を失ったスギョンは、バウと夫婦を装って身を隠す。スギョンを慕うイチョムの息子デヨプが彼女の行方を捜す中、逃避行を続けるバウとスギョンはいつしか心を通わせていく。

ポッサムは、貞節が重視される女性の再婚が法律で禁じられたことから生まれた風習。寡婦を略奪婚のような形で連れ出し、袋に包んで連れていくのが一般的な手法だったため、この行為自体が包むことを意味するポッサムの名で呼ばれることになった。非合法ではあるが、民の不満を抑えるため長らく黙認されていたという。実際に広く行われていたものの、こうした風習がドラマの時代劇のメインの素材となったのは初めてのことで、主演の二人も「ポッサムという素材が興味深く、これまでにない目新しいものだと感じた」と語っている。

ワイルドに変身したチョン・イルが見せた新たな魅力

『ポッサム~愛と運命を盗んだ男~』© 2021 MBN. All Rights Reserved

こうした素材だけでなく、視聴者に新鮮だと受け止められたのは、多くの時代劇で王や武官などを演じてきたチョン・イルの、息子を抱えたやもめの庶民というこれまでにないキャラクター。伸び放題の髪やひげというワイルドな姿への変身は、彼にとってかなりの冒険だったようだ。「ひげ面の役柄は初めてだったので悩みました。監督と何度も話し合い、どんなひげにするか議論を重ねたんです。結果的に、ひげはバウを魅力的に見せる重要な要素になりました」と振り返るように、新たな面を披露してイメージアップした。

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