日頃から準備しておきたいこと4つ
1.自分の自己負担上限額をざっくりと把握しておく
ひと月の自己負担上限額を超えそうな場合、早めに限度額適用認定を申請しておきましょう。
2. 病院の領収書や診療明細書、診療報酬明細書は必ず保管しておく
原則として再発行ができないため、紛失に注意しましょう。
3. ひと月ごとに病院の領収書や診療明細書等をファイリングしておく
ポケットが12以上のファイルに、ひと月ごとに分類して一年分保管しておくと、確定申告の医療費控除を申請する際にも活用できて便利です。
4. すぐに引き出せる口座に、緊急予備資金枠としての貯金をしておく
高額療養費を申請した場合、支給までには少なくとも3か月以上かかるため、目安としては生活費3か月分程度を緊急予備資金として貯金しておくことをお勧めします。
問い合わせ先を知っておこう
高額療養費制度や限度額適用認定証についての問い合わせ先は、ご自身がどの医療保険制度に加入しているかで異なります。
原則として、自営業者・学生・年金生活者などが加入するのが「国民健康保険」で、一般企業に勤務する従業員等が加入するのが「健康保険」です。
大企業は自ら健康保険組合を設立し事業を行うことができるので、組合が設立されている企業の従業員等は企業や団体の健康保険組合に加入します。また、国家公務員・地方公務員及び私立学校教職員の場合は、共済組合に加入します。
ご自身の健康保険被保険者証や国民健康保険証等に記載してある保険者(=健康保険の運営主体)を参照し、管轄の窓口と問い合わせ先を確認しておきましょう。
なお、高額療養費の支給を受ける権利の消滅時効は、診療を受けた月の翌月の初日から2年です。期間内に申請手続きを済ませておきましょう。
また、医療費の支払いが困難な場合、高額療養費支給見込額の8割相当額を無利子で貸し付けを行う『高額医療費貸付制度』を利用できる場合があります。ひとりで悩まず、ご自身が加入している医療保険の問い合わせ窓口に相談してみましょう。
仕事に家事に育児に…と、休む間もなくタスクに追われる子育て世代。無理がたたって体調を崩してしまう方も少なくありません。普段から健康に気をつけていても、緊急入院や手術となるケースは意外と多いものです。
想定されるリスクへの備えとして、ご自身が加入している公的医療保険制度のしくみや問い合わせ窓口等を確認しておくことをお勧めします。
※本記事は令和4年4月現在の情報に基づきます
【執筆者】髙柳万里
キッズ・マネー・ステーション認定講師/ファイナンシャルプランナー
金銭教育を受ける機会が全くないまま社会人となっていたことに愕然とし、必要に迫られて平成二十年FP資格取得。「創意工夫と試行錯誤」をモットーに、主に親子向け金銭教育や教育費関連について執筆しています。