自己負担軽減のポイント2つ
おさえておくべきポイントをまとめます。
ポイント1
窓口で自己負担した医療費については合算できるものは合算し、ひと月における限度額の上限を超えた場合は高額療養費の支給申請をすること。
ポイント2
医療費が高額となる事が予想される場合、事前に「限度額適用認定証」の申請手続きをしておき、保険証(=被保険者証)と一緒に医療機関の窓口で提示すること。
◆「限度額適用認定証」とは?
限度額適用認定証とは、ご自身の所得区分に応じて、加入する公的医療保険から発行してもらう証明書です。
健康保険被保険者証等とあわせて医療機関の窓口に提示することにより、窓口での支払いを自己負担上限額までにとどめることができるため、一度に準備する費用の負担を抑えることができます。
なお、低所得者以外の70歳以上の方については、認定証がなくても自動的に窓口での支払いが自己負担上限額までにとどめられます。
限度額認定証申請手続きの流れは次の通りです。
(1)ご自身の加入する公的医療保険(健康保険組合・協会けんぽ等)ホームページにアクセス
(2)申請書PDFをダウンロード
(3)必要事項を入力して印刷
(4)手書きする項目を記入
(5)担当窓口へ郵送
(6)郵送にて認定証が自宅へ届く(有効期限:申請書が担当部署に届いた月から一年間)
まさかの緊急入院!筆者の体験
筆者は数年前、緊急入院しました。以前から飛蚊症(物を見ているときに黒い虫のようなものが動いて見える症状)がありましたが、多忙な日々でつい診察を後回しにしてしまい、とうとうある朝、右目の視野が半分暗くなりました。
さすがに眼科に直行すると、『網膜剥離』との診断。『すぐ手術しないと失明するよ!』と医師に指示され、思いがけずその日のうちに緊急入院、即手術となりました。
その結果、若干の後遺症は残りましたが、幸いにも失明は免れました。
当時は緊急入院だったため、治療費がどのくらいかかるのか、自分の自己負担上限額はいくらなのかを確認しておく時間も気持ちの余裕もなく、支払い前にドキドキしたことを思い出します。
ただでさえ病気やケガの治療のために身体に負担がかかっているとき、『医療費がいくらかかるのかわからない』という経済的不安はストレスになります。日頃からざっくりとでも把握しておくことで、経済的な不安は多少軽減できるのではと感じました。
後日、高額療養費の支給申請をしたところ、実際の支給までに数か月以上かかりましたが、とてもありがたい制度であることを実感しました。
その後、娘が離島で骨折した際はやはり緊急だったため、ボルトで固定するための入院には間に合いませんでしたが、3か月後のボルトを抜くための入院の時は、事前に『限度額適用認定証』を取り寄せておいたので、病院窓口での自己負担支払額が想定の範囲内となり、負担が軽減されました。
なお限度額適用認定証は、今のところ郵送での手続きのみとなり、手元にとりよせるまでに約一週間程度かかります。お住まいの地域によっては更に日数がかかる場合もありますので、必要な方はなるべくお早めに申請されることをお勧めします。