自己負担額を合算できる主なケースとは
前述の自己負担額は、一つの医療機関への支払いだけでなく、複数の支払いを合わせることができる場合があります。
家族が同時期に病気やケガで受診した場合
高額療養費の自己負担限度額に達しない場合でも、同一月内に同一世帯で21,000円以上の自己負担が複数あるときは、これらを合算して自己負担限度額を超えた金額が支給されます。
これを「世帯合算」といいます。この場合の「世帯」とは住民票上の世帯とは異なり、同じ医療保険に加入している家族を指します。
【例】
祖父(後期高齢者医療被保険者)、祖母(国民健康保険被保険者)、
父(国民健康保険被保険者)、母(被用者保険被保険者)、子(被用者保険の被扶養者)
の5人家族が同居しているケース
→同じ医療保険に加入している祖母と父、母と子は合算可能。
同じ月内に複数の医療機関にかかった場合
自己負担額は原則としてレセプト(診療報酬明細書)単位で受診者別、医療機関別、入院・通院(外来)別で算出されます。高額療養費の対象となるのは自己負担額が21,000円以上のものです。(70歳以上の方は受診者別、入院・通院別で全部の自己負担額)
このため、同じ月内に複数の医療機関にかかった場合は、対象となる自己負担額を全て合算して、自己負担限度額を超えた部分が高額療養費として支給されます。
なお、月をまたいで治療を受けた場合は合算できませんのでご注意ください。
【例】70歳未満の方で、4月中に入院・通院が複数回あるケース
● A病院 入院(内科) 4月10日~4月25日 80,000円
⇒21,000円以上のため合算可能
● B病院 通院(婦人科)4月1日に12,000円、4月5日に10,000円の2件で22,000円
⇒同一医療機関・同一診療科の外来支払額の合計が21,000円以上のため合算可能
● C病院 通院(歯科)4月10日 4,000円
⇒21,000円未満のため合算不可