「何か話さないといけない」ってずっと考えてた

©2022「メタモルフォーゼの縁側」製作委員会

――うららと紡の距離感をお二人で話し合ったりもしましたか。

芦田:高橋さんに直接相談することはなかったんですけど、最初にお会いしたとき、スタッフさんと一緒にお話をしていて、その輪に私も混ぜてくださったんです。すごくフレンドリーで誰とでも分け隔てなく接してくださる方なんだな、と思って。

「幼なじみと一緒にいるうららってどんな感じなんだろう?」と、悩んだところではあったんですけど、そういうふうに高橋さんが接してくださっているうちに自然とその空気感を感じられるようになったと思います。

高橋:実際のところ、僕、めっちゃ人見知りなんです。だから「何か話さないといけない」ってずっと考えて緊張もしていたので、そんなふうに捉えてもらっていたのは嬉しいです(笑)。

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――うららと紡の幼なじみの関係をどのように捉えていましたか。

芦田:実は私も幼なじみと呼べるような人はいなくて。だから二人の関係性がうらやましいなって思いました。

幼なじみって不思議な関係ですよね。家族でも、きょうだいでも、恋人でも、友だちでもないし。でも、その人のために何かしてあげたいと思えたり、隣にいると心地良かったり。お互いのことを思いやっている関係が素敵だなと思いました。

うららって人付き合いが苦手で、心を許せる存在もあまりいなくて、そんなときに雪さんと出会ってすごく世界が広がるわけですけど、紡は元からそういう存在というか。

「この人は自分のことを受け入れてくれる」「ありのままの自分でいてもいいんだ」って思える存在だったと思うので、その距離感、「うららが疲れずにいられる存在ってどういう感じなんだろう?」というのは結構考えました。

高橋:僕も幼なじみがいないので、幼なじみがいる友だちに「どういうもん?」って聞いたりしました。それで、何でもない、しょうもないことでも気軽に話せるのが幼なじみなのかなって。話を聞きながら「そういうことね」みたいに段々とわかってきました。

紡とうらっち(うらら)の関係性で言うと、何でも話せるような仲で、紡がうらっちを気にかけたりもしていて。うらっちの家に紡が行くシーンとかは、心を許し合ってる存在なんだな、と思ったし、お互いに信頼し合っているんだろうな、と感じていました。

――紡には英莉という恋人もいますよね。うららとの違いをどう感じていましたか。

高橋:彼女の前だと強がってしまうけど、うらっちの前では強がらず、素でいられる。そこが差なのかな、と思っていました。