【ニショク】「カルパッチョ〜和牛ハツの低温調理~」。ニンジンかと思ったが、いい意味で裏切られた

前菜のおすすめは「和牛ハツの低温調理」

「『カルパッチョ〜和牛ハツの低温調理~(850円)』です。オリーブオイルではなく、ヘーゼルナッツオイルがかかっています」

パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズかと思ったらペコリーノだった。もうひとつ驚いたことがある。オレンジはニンジンだと思ったが、そうでなかった。

「山牛蒡の漬物です。道の駅などに並んでいますよね、アレです(笑)」

山牛蒡のエグミというか苦味が、ハツのカルパッチョにアクセントを与えていた。細かくきざんであるので食感も心地よい。

「ハツは脂身が少ない部位なので、ヘルシー志向の女性に人気があります」

ひとりだったので〆は頼まなかったが、パスタやリゾット(ともに900円)の用意もある。かと思えば、おにぎり(300円)も。イタリアンがベースだが、杓子定規ではないところが居酒屋であり、使い勝手がいい。

もちろんドルチェの用意もある。店のすぐ脇に『アミコーノ』という女性シェフが営むジェラートショップがある。

週末ともなれば行列ができるそうだが、『ニショク』 が特別に作ってもらっている「ジェラートの盛り合わせ(400円〜)」を頼むこともできる。

1階には立ち飲みスペースがある。立ち飲みスペースでは何杯飲んでもアルコールは1杯200円引きなので、毎日出没するツワモノもいるそうな。

「うちでなければ食べられない料理を60品ほど提供させていただいています」

帰宅後、食べ忘れた料理があることを思い出した。揚げた「マルゲリータ」と「フィッシュ&ポテトチップス」だ。揚ピザってどんな料理? 『ニショク』って揚げ物好きな酒飲みの聖地かも。

【ニショク】料理や酒に関してわからないことがあれば、ホールの米山知希さんに訊こう。笑顔で教えてくれるはずだ

【ニショク】
住所/東京都世田谷区奥沢5-28-15昇栄ビル101
電話番号/03-5755-5064
営業時間/17:00〜24:00(土日15:00〜) 定休日/無休 予約可(週末は予約がベスト)

東京五輪開催前の3歳の時、亀戸天神の側にあった田久保精肉店のコロッケと出会い、食に目覚める。以来コロッケの買い食いに明け暮れる人生を謳歌。主な著書に『平翠軒のうまいもの帳』、『自家菜園のあるレストラン』、『一流シェフの味を10分で作る! 男の料理』などの他、『笠原将弘のおやつまみ』の企画・構成を担当。