想像を超える展開で毎回視聴者を驚かせるドロドロ愛憎劇の最高峰『ペントハウス』。シーズン1のDVDがついに全話リリースされ、シーズン2へ向けての期待度がますます高まっている今、あらためてシーズン1の注目ポイントをチェックしたい。
セレブだけが住む超高級タワーマンション「ヘラパレス」を舞台に、限りない欲望を抱いた人々が壮絶な争いを繰り広げる。シーズン1の終盤では冒頭に転落死したミン・ソラ殺害犯が明らかになり、「ヘラパレス」の女主人シム・スリョンによるソラのための復讐も完了。それで幕を下ろすかに見えた物語は予想外の衝撃的なラストを迎えて、悪の権化チュ・ダンテと悪女チョン・ソジンは勝利の美酒に酔う。
ここで見逃せないのは、セレブマンションとは無縁の庶民から、紆余曲折を経て「ヘラパレス」の住人となるオ・ユニの変貌。一人で娘を育てながら毎日堅実に暮らしていた彼女は、シーズンを通して誰よりも大きく変わる人物だ。天性の歌の才能を持ちながら財力も後ろ盾もないことで、ライバルのソジンに踏みつけにされ泣き寝入りした過去を持つユニ。だが、悪縁の深いソジンと再会したことをきっかけに、新たな世界へと歩み出す。
ユニをつき動かすのは、娘への強い愛情。娘をかつての自分と同じような目に遭わせたくないとの気持ちから、彼女自身思ってもみなかった選択をする。人間には誰しも弱い部分があり、普段は善良に生きていても、何かのきっかけで簡単に悪へと落ちてしまう。深い絆で結ばれたスリョンを裏切り、ダンテと手を結ぶまでになるユニの姿に、善と悪との距離は遠いようで意外に近いということを、まざまざと見せつけられる思いがする。