ウクライナの三大料理のひとつ水餃子「ヴァレニキ」を実食

【吉祥寺『Babusya REY(バブーシャ・レイ)』】シルクロードなどを経由して中国の水餃子がウクライナに伝わり、「ヴァレニキ」として食べられてきた

マッシュルームとマッシュポテトで作った餡を手作りの皮で包み、ゆでたものが「ヴァレニキ」。

これをディルを添えたサワークリームで味わう。肉を包んだ中国料理の水餃子とはひと味違う、もちもちで、つるんつるんな食感が愉快だった。

ヴァレニキはウクライナ発祥の水餃子だ。この店ではウクライナで食べられきた、ロシア発祥の水餃子「ペリメニ(700円)」も提供している。牛肉や豚肉、鶏肉を皮で包んだ水餃子だ。

ウクライナは寒い国のため、カロリーが高く、肉料理が多いのも特徴

ビクトリアさんの夫、小笠原さんによれば、ウクライナは寒い国のため、カロリーが高い料理が多いという。

「肉料理が多いのもウクライナの特徴。その昔、ウクライナでは肉を使わない料理は栄養がないと考えられていた時代があるそうです」

ソーセージも家庭でよく作る。ビクトリアさんの実家はウクライナ東部のドネツク州にあった。子どもの頃、飼っていた豚をつぶし、母ナターシャさんがソーセージを作ってくれた。

店ではナターシャさんが作った「ホームメイドソーセージ(1000円)」を出している。豚肉を羊の腸に詰めたものを焼いたソーセージだ。

【吉祥寺『Babusya REY(バブーシャ・レイ)』】「ホームメイドソーセー」はキャベツのピクルスの他、マッシュポテトかライスを選べる

やや硬いが、肉を食べていることを実感できるソーセージだった。赤いのはキャベツのピクルスで、ほどよい酸味でおいしかった。

ウクライナ風カツレツは、バターとディルを用いた風味豊かな一品

肉料理をもう一品。ウクライナ風カツレツ「チキンキーウ(1000円)」である。

【吉祥寺『Babusya REY(バブーシャ・レイ)』】「チキンキーウ」。パン粉と溶き卵を何度も付けるため、衣がしっかりしている

バターとディルを固めたものを鶏むね肉で巻いて揚げた料理だ。

脂が少ない鶏むね肉にバターとディルを用いることで風味豊かな一品に仕上がっていた。

「妻の大好物です(笑)。ディルを多用するのがウクライナ料理の特徴」と小笠原さん。

バターを使った高カロリーな鶏のカツレツには、「マッシュポテト」と「オリビエサラダ」が添えられていた。

「ジャガイモ、ニンジン、ハム、グリーンピースを和えたものに黒コショウと塩とマヨネーズで味付けしたのが『オリビエサラダ』です」とビクトリアさん。

このサラダはポテトサラダの原型といわれているようだが、あっさり味で飽きのこない味だった。