物事を悪いほうに考えてしまうことはありませんか?
マイナス思考になりやすい人は、さまざまな好ましくない状況をつくり出してしまうことがあります。
たとえば、臆病になって新しい行動が起こせなかったり、ストレスを感じてからだに悪影響が出てしまったり、周りの人にまで嫌な気持ちにさせてしまったりすることも……。
今回はこのような「マイナス思考」について解説していきます。マイナス思考な自分を変えたい! と強く思う人には必見です。ぜひご覧ください。
どうせ私なんて……。マイナス思考が止まらない!
夏希さん(28歳/会社員)は、仕事のちょっとしたミスでも引きずってしまいます。すぐに「どうせ私なんて」と卑屈になり、そんな自分が嫌で余計に気分が落ち込みます。
先日も上司からミスを指摘され、しばらく立ち直ることができませんでした。休日に友人とランチをしていても、友人の話がどれも楽しげに聞こえ、今の自分がますますみじめに思えてしまいます。
ため息ばかりつく夏希さんをみた友人に「今日は誘っちゃってごめんね」と謝られてしまいました。
友人は悪くないのに、悪いのは全部私なのに……。ますます落ち込んで、負の連鎖から抜け出せなくなってしまいました。
夏希さんのように、考えがマイナスな方向ばかりにかたよることで、心のバランスが崩れてしまう人や人間関係に悪影響を与えてしまう人は多いようです。
では、なぜマイナス思考に陥ってしまうのでしょうか。マイナス思考から抜け出す方法はあるのでしょうか。
マイナス思考に陥ってしまう原因
まずは、マイナス思考に陥ってしまう原因について考えてみましょう。
1:自分に自信がないから
自分に自信がないと「どうせ失敗する」「何をやってもダメだ」「自分にはできない」と、これからの行動にネガティブなイメージを思い描いてしまいます。
何かあるとすぐに自分を卑下してしまうのは、自分の存在意義や価値をみいだせず、自己肯定感が低い傾向にあるためです。
これは、過去の経験が影響している場合があり、成功体験が少なく挫折や失敗を繰り返してきた人に多くみられます。また、人格を形成する幼少期に褒められることが少なかったり、否定されたりなどの経験が関係している場合もあるでしょう。
自分に自信がないと、行動することに抵抗感を持ちます。その結果、行動力を抑制するようになってしまうのです。
2:理想が高すぎるから
目標や理想を高く掲げることはいいことですが、あまりにも理想が高すぎると、自分が今置かれている環境や状況からかけ離れたものになってしまいます。
現実味のない目標は思い通りに達成できないことが多く、理想と現実のギャップで自己嫌悪に陥ることになります。
実現性のない目標を掲げがちな人は、いろいろな可能性を想定することや他人の意見を聞くことができなくなっているため、狭い視野でしか物事を捉えられなくなっているのです。
3:セロトニンが不足しているから
セロトニンとは、精神の安定に大きく影響する脳内伝達物質です。セロトニンが不足すると精神的に不安定になり、不安感が強くなったりネガティブな思考に陥ったりしやすくなります。
セロトニンは睡眠に関係するメラトニンをつくります。セロトニン不足でメラトニンがつくられないと睡眠障害を招きやすくなるのです。
また、睡眠に問題を抱えている人は、ネガティブな記憶をつい思い起こしてしまい、心に負担を与えてしまうといわれています。