5:運動をする
チャップマン大学心理学部・行動健康学科のジュリアベーム氏らは、「心理的な幸福度が高いほど身体活動を活発にしている」という研究結果を発表しました。
運動することによって交感神経が優位である時間が長くなり、ポジティブ思考になりやすいのです。
さらに、運動はストレスを解消させるためのホルモン(セロトニン、エンドルフィン)分泌を促すことがわかっています。
すでに説明したとおり、セロトニンは精神安定の神経伝達物質です。また、エンドルフィンは、高揚感や満足感・幸福感を高める神経伝達物質です。
心肺機能を高める運動を行うと分泌されるホルモンで、マイナスな感情や不安を和らげます。
また、運動することで考えこむ時間を減らしたり、リフレッシュできたりと、マイナス思考の予防や改善効果があります。
ランニングなどの本格的な運動でなくても、通勤や通学などの際に歩幅を広くしてリズミカルに歩いたり、公園などで少し速度を上げて散歩したりするだけでも効果的です。
6:ポジティブな言葉を意識する
人は、ネガティブな言葉を聞くとネガティブな映像や体験をイメージします。同じように、ポジティブな言葉を聞くとポジティブな映像や体験を思い浮かべます。
これを応用して、自分自身にポジティブな言葉を言い聞かせれば、ポジティブな感情に通じる思考回路が強化され、プラス思考になりやすいといえるのです。
普段何気なく使われるマイナス思考から連想しがちな言葉を、ポジティブな言葉に変換する練習をしてみましょう。
<例>
- 疲れた→今日もよく頑張った
- 忙しい→充実している
- 計画性がない→行動力がある
- 周りを気にしすぎる→気が利く、心配りができる
また、人との会話でもポジティブな言葉を使うように意識してみましょう。自分自身の気持ちだけでなく相手から受ける印象も変わり、人間関係にもいい影響が期待できます。
すぐに実践するのが難しいと感じる人は、まずは「ありがとう」という言葉をスムーズに出せるようになりましょう。
たとえば、人に褒められたときは「私なんて」と否定的な言葉ではなく、「ありがとう」とポジティブな言葉を口にしましょう。さらに、相手に感謝の言葉を述べる際は、「すみません」ではなく「ありがとう」を言いましょう。
言葉には、気持ちを変えて行動も変える大きな力があります。自分の言葉によって相手の行動を変えることもでき、自分自身の行動をも変えることができるのです。