転職時に「確定拠出年金」の移換手続きを行わずに放置している年金資産額は2400億円(2022年時点)といわれています。
今回は、記事「【お金】わかりやすく解説!「企業型確定拠出年金」のメリット&法改正で知っておきたいこと」に引き続き、「確定拠出年金」の手続きについて、詳しくお伝えします。
会社員Mさんに起きたこととは?
大手企業に新卒入社後勤務していたMさん。福利厚生が整っており、出産時に独自の給付もあるような会社で、もちろん企業型確定拠出年金にも加入していました。
入社6年目、先輩から誘われ別のハウスメーカーに転職することに。退職時には人事から1枚の紙をもらい、退職後の手続きを行うも多くの手続きがありなんのことやら。「
退職後半年以内に手続きしてください」と言われましたが、確定拠出年金のIDとパスワードも分からず、そもそも加入していたことすら初めて知った状況です。
あと半年もあるし、そのうちやろうかな、と思って気づけば5年が経過していました。
今回、「何か節税対策はできないだろうか?」ということでご相談いただき、iDeCoの話に至り、「そういや昔入っていたかも?」とのご申告で明らかになりました。
退職して企業型確定拠出年金の加入者資格を失い、半年間手続を行わないと、それまで積み立てていた年金資産は国民年金基金連合会に自動移換されます。Mさんに自動移換者コールセンターにご連絡いただき、資産額を開示したところ、100万円以上の資産があったことが判明したのです。
今の勤務先には企業型確定拠出年金はなかったため、個人型に移換後、積立てを開始していただきました。
今回はご相談にいらしてくださったので気づくきっかけがありましたが、このまま気づかずに過ごされていたら永遠に手数料だけを差し引かれ、さまざまなデメリットが生じていた可能性もあります。
自動移換された状態ですと国に仮預かりの状態となったままで、受取の可能となる年齢が遅れてしまい、場合によっては受取開始の書類すら届かなかったかもしれないのです。