ロンドン市内にある伝統市場、バラ・マーケット。カラフルな野菜やセンスのある陳列にうっとり
フォトギャラリー【ロンドン】庶民の美味しいグルメを写真で見る
  • バラ・マーケットの魚介売場。サーモンやロブスターなどが並ぶ
  • 可愛らしい手作りジャムが並ぶバラ・マーケット。朝の食卓に並べたい
  • 大鍋でスパイシーなスープを煮込むバラ・マーケットの料理人。鍋の中身がパエリアになったり、チキン煮込みになったりすることも
  • 楽しそうに働くバラ・マーケットの料理人たち
  • イギリスのサラミやソーセージなどの加工品は塩味がきいていて、少量でも満足感が得られる。お酒のつまみにぴったり

ロンドンの台所、バラ・マーケットへ

ヨーロッパの旅が終わりに近づいてきた。最終日はロンドンの庶民の味を堪能すべく、市場に出かけた。

フォトギャラリー大都市ロンドンに圧倒される! 街の魅力をさらに見る
  • ミュージカル『マンマ・ミーア』を上演するウエストエンドのミニシアター。これくらいの規模のシアターがウエストエンドには約40軒集まっている
  • イギリスといえばフィッシュアンドチップス。ポテトもソースも、やはり本場はうまい!とうなる一品
  • 典型的なイングリッシュ・ブレックファースト。中央の煮豆はチリビーンズにも似ているが、もう少し優しい味。コショウが効いたソーセージはときどき無性に食べたくなる
  • アフタヌーンティーといえば段になったスタンド。次はどれを食べようか? 選びながらテンションが上がる
  • 味の違うミニスコーンは、それぞれ付けるソースも違う。ふた口で食べられる量だが、1人4個となると結構なボリューム

イタリアの市場は台湾や韓国などのアジア諸国と少し似ていて、道端に泥がついた野菜が並んでいたり、鮮魚屋台の周りが水でびしょびしょだったり、活気と生活感であふれていた。

ロンドンにも市場があり、なかなかの賑わいであると聞いて午前中に足を運んだのはバラ・マーケット。

有名なロンドン・ブリッジの近くにある大規模な市場で、なんと1000年近い歴史を誇るとか。さすがはヨーロッパ、歴史の重みが違う。

古いとはいえ、バラ・マーケットはとても洗練されたモダンな市場だった。

ロンドンというのは歴史の古い街だが、とにかく手入れが行き届いている。昔の姿のまま古いものを保存したり、おしゃれにリニューアルして再生したりするのが得意だ。

バラ・マーケットの魚介売場。サーモンやロブスターなどが並ぶ

バラ・マーケットは観光客だけでなく、通勤がてらにパンとコーヒーを買い求める地元の人の姿もちらほら。イタリアのように野菜や魚介も扱っているのだが、どの店も清潔感がある。

絵になる野菜や気の利いたパッケージングにうっとりしてしまう。

思わずパケ買いしてしまった缶詰たち。缶の中身はオリーブやトマト煮込みなど

チーズがかかった大きなプリッツェルとホットコーヒーを買って、食べ歩きをしながらテムズ川にかかる巨大なロンドン・ブリッジを眺める。

ロンドンの街はすでに動き出していて、地下鉄の駅へ急ぐ人たちやタクシーが通りを賑わしている。ちょうどいい生活感と緊張感のある街だ。

元教会の華麗なる変身

街なかに突如現れた立派な教会。中に入るとあっと驚く風景が待っていた

街なかに変わった教会があると聞いて行ってみた。

イタリアにもアイルランドにも教会はとても多かった。よく訪れていた台湾にはいたるところに廟があり、地元の人々が気軽にお参りをしていたが、ヨーロッパには大小さまざまな教会があり、それが人々の精神的支柱になっているようだ。

教会のステンドグラスや絵画はそのままだが、1階と2階部分が改装されフードコートになっているメルカート・メイフェア

私がこの日訪れたのは、「元」教会。外からみると古めかしいが立派な建物で、中にはステンドグラスやキリストの絵画が健在なのだが、なんと外装や内装をほとんど変えることなく「メルカート・メイフェア」というフードコートになっている。

台湾の台北市内には境内でお酒を飲める廟があったが、ここは教会の中でランチができる。

しかも、多国籍なフードメニューがそろっていて、ピザやハンバーガーはもちろん、タイ料理やイスラム料理、日本料理もあるし、料理と一緒にワインやビールも楽しめる。

メルカート・メイフェアのマレーシア料理。ロンドンの教会でアジア料理を食べることになるとは、ちょっと意外だった

教会の建物の中でお酒を飲むという背徳感も手伝って、いつもよりも気持ちが高揚する。