交際の「濃さ」に見え隠れする不穏なポイント

違和感を覚えたのは、デートを断ったことで彼女であるAさんが別の人と過ごすことを「手放しで喜ぶ」ような彼氏の姿です。まるで自分の荷が降りたような態度を見せておきながら別れは拒むところでした。

交際について中身を聞いてみると、以前は彼氏からも普通に連絡があり週末のデートも当たり前にできていて、Aさんが彼氏のアパートに出向いてご飯を作ったり泊まったり、のおうちデートも叶っていました。

おかしくなったのは彼氏が「今日も残業」「疲れているから」と会う時間が減ってからです。それをAさんは「好きなら会う時間を作るはず」「私の気持ちも考えてよ」と、いたわりを伝えながらも責めてしまうときがありました。

自身について「甘えたがりです」と自覚のあるAさんは、デートのときは彼氏に車を出してもらい食事代も出してもらい、部屋では自分の好きな飲み物を常備することをお願いして、一方で「料理や掃除など尽くすことも好き」で彼氏の苦手な家事を率先してやり、常にくるくると動く自分を彼氏に認めてもらいたがり、ふたりで過ごす時間の「濃さ」が何となくわかりました。

「ベッドに入って先に寝てしまった彼氏にキレたことがあります」と口にするAさんにハッとしましたが、このときの違和感は「先に眠りに落ちるほど疲れていた彼氏の状態」についてはまったく気にしていない点です。

Aさんには「彼女より先に寝るなんてありえない」と言いますが、その窮屈さを彼氏がどう感じていたか、「ほかの人と過ごすことを歓迎する姿」につながるのでは、とふと思いました。