3:「違う」ことは否定ではないと認識する

上記のケースで続けると、男性は「期待通りの反応をもらえなかったこと」「その後何となく気まずい態度をとられること」に不満と悲しみを覚えていました。

男性がこだわっている部分を突き詰めると、「相手のためにと向けた好意が無駄になったこと」が悲しく、また「自分を否定されたように感じる怒り」で相手の状態を責めているとわかります。

一方で相手の振る舞いを尋ねてみると、「ありがとうと感謝の気持ちを伝えているし、これに興味がないことは以前話したはずと言っており、今は触れる気になれないと自分の気持ちをきちんと口にしている」のが事実でした。

相手がその状態であるうえで「自分は好きだから」と贈ったのであれば、そこには「あなたにも好きになってほしい」の下心があったはずです。それを否定されたのが男性はつらかったのですね。

期待通りの反応が返ってこないことを拒絶と受け取るのは短絡的で、繰り返しますが相手には相手の感じ方があり、それをこちらが決めることはできません。

「こんなものを贈るあなたが嫌いだ」と言われたのなら拒絶ですが、そうではなく「ありがとう」とまず言って受け取り「それでも今は触れる気にはなれない」とするのは、相手は自分のスタンスを見せただけになります。

気まずそうな態度をとるのは、贈ってくれた人の期待に沿えなかったことへの罪悪感だったり今後のつながりに不安を覚えていたりの可能性があり、それもまた相手の事情でこちらには手が出せません。

相手は男性との間に境界線を引いているから自分の気持ちに嘘をついてまで馴れ合うことはせず、贈ってくれたことには感謝の気持ちを持って伝えていると筆者は感じます。

相手にとって「同じでない自分」は男性を否定したことにはなっておらず、この違いを男性は見ていないといえます。