まずはパン担当の鈴木さんから。
「『クロワッサン(380円/以下すべて税込)』はぜひ食べてください。どこにでもある、いわゆるクロワッサンではないはずです」
どこにもないクロワッサンを作るために何をどう工夫したか。クロワッサンをいただきながら鈴木さんの説明を受けることにした。
「塩分を変えました。一般的なクロワッサンの塩分は2%ほど。今回しょっぱいと感じるぎりぎりの2.4%にし、甘みを際立たせました」
歯切れの良さを演出するためにフランス産小麦を選択。その生地に焦がしバターを入れた。
塩味が強いからなのかパンチがあり、味がシャープ。しかも生地に甘みがあり、焦がしバターの香りが加わり風味豊か。
2つ目は「カンパーニュ(1400円/ハーフ700円)」。
自家製酵母のサワードゥを使用。水と小麦粉と麹で作った超高加水の生地を24時間寝かせて生地の甘みを最大限に引き出した。
自分は酸味の強いパンが苦手。だからカンパーニュを食べる機会はほとんどない。けれど、鈴木さんが焼く『Think』のカンパーニュは酸味が極めて弱かった。
「ゆっくりと発酵させているので酸味が穏やか。当日あればバターを添えて食べてください」
酸味が少ないのでハムやチーズ、野菜などをのせるタルティーヌ風オーブンサンドにしてもおいしいそうだ。
「翌日は軽くトーストしてバターを添えたり、生ハムをのせてもおいしいです」
ハーフサイズを購入した。皮がパリパリで、芯がモチモチでしっとり。おいしすぎてそのまま全部食べてしまった。鈴木さんおすすめの食べ方に挑戦できなかったのが残念。
「『ミルクフランス(350円)』もぜひ。麹で発酵させたバゲットと同じ生地を使っています。甘酒などに使う麹を使っているので、かすかに日本的な風味があると思います」
ミルククリームには北海道産濃縮ミルク、コールマンバター、奄美諸島産きび砂糖を使用。風味があるがくどくない味わい。きび砂糖を使うことでコクを出したという。
ミルクフランスというとすごく甘いものが多いが『Think』のは甘すぎないところが良い。