伝統的なお菓子とオリジナルのスイーツを用意

【Think】 仲村さんが焼いたカヌレ。カヌレ好きな私にとって99個目のカヌレとなった


続いて仲村さん担当のスイーツ。

3つのうちの1つを仲村さんにリクエストしていた。そう「カヌレ」だ。

フランスの製菓学校を卒業し、フランスで修業した仲村さんが『Think』でカヌレを焼いているというので、どんなカヌレなのかとても興味があった。

仲村さんのカヌレは皮がカリカリ。芯は硬めのカスタードクリームのような食感と味わい。モチモチではなく、しっとり系。

【Think】 生地を24時間寝かせて焼き上げたカヌレ

「モチモチ感を押さえるために生地を24時間以上寝かせ、グルテンを休ませてから焼いています」

カヌレ好きなら仲村さんの自信作を食べる価値があると思う。

【Think】 仲村さんが「シュークリームの進化系に近いかも」と語る「タルトクレーム」

2つ目は「タルトクレーム(600円)」。

滑らかなカスタードクリームを味わっていたらその途中、サクサクとした何かが口に飛び込んできた。

「パイ生地とカスタードクリームの間に、プラリネ(砂糖を煮詰めてキャメル状に加工したもの)に混ぜ込むフィリティーヌ(薄く焼いたクレープ状の生地)を入れてあります」

滑らかで、サクサクで、トロトロ。複数の愉快な食感が次々に襲ってくる。

【Think】 マドレーヌ


最後は焼き菓子の定番「マドレーヌ(230円~)」。

このお菓子を食べたことがない人はまずいないだろう。大半のマドレーヌはパックされている。ところが、この店では複数の味のマドレーヌがそのまま並べられていた。

「僕がパリで出会ったマドレーヌを表現するため、焼きたてをそのまま提供させていただきます。コールマンバターの風味も含め、焼きたてを食べてほしいです」

仲村さんのマドレーヌは軽い味わいでバターの風味豊か。

「マドレーヌをきちんと焼き上げるのが、ブーランジェリーパティスリーの役割だと思っています」

【Think】 店内にはおいしそうなパンとケーキがディスプレイされていた

おいしいパンとお菓子と一緒に、懐かしい風景と出会える。

『Think』に出かけると嬉しいことがたくさんありそうだ。

【Think】

住所/東京都台東区上野桜木-15-6あたり2号棟1階

電話/03-5834-7547

営業時間/11:00~18:00(売り切れ次第クローズ)

定休日/月火(祝祭日の場合翌日休み)

東京五輪開催前の3歳の時、亀戸天神の側にあった田久保精肉店のコロッケと出会い、食に目覚める。以来コロッケの買い食いに明け暮れる人生を謳歌。主な著書に『平翠軒のうまいもの帳』、『自家菜園のあるレストラン』、『一流シェフの味を10分で作る! 男の料理』などの他、『笠原将弘のおやつまみ』の企画・構成を担当。