「マインドフルな状態」とは?
――今自分の生活を振り返っても、本当の意味での“選択”って、実際にはちゃんと出来ていないのかもしれません。
これからは感性の時代が来る
森:「これからは感性の時代が来る」と思い、京都芸術大学に一昨年入学して、今年の春卒業したのですが、素晴らしい先生にも恵まれ、大学ではデザイン思考やアート思考、文化・伝統・芸術全般を学びました。
世界はデザインで出来ていて、そのデザインを理解することで生活や社会への見方が広がる。
そして感性を高めることで、創造的に、豊かに生きることができる。まさに生きるための思考術を学びました。
日常の中にデザインがあふれていますが、私たちは何の疑問も持たずにそれを使っています。
無意識に使っているものをよく見てみよう
――無意識に使っているものをよく見てみるということですね。
森:例えば、当たり前になっているペットボトルのフタのギザギザは何でついているんだろう? ドアノブってどうしてこの形なのかな? ということを改めて問い、観察してみる。
新たな視点で見つめ直してみることもマインドフルネスに通じるんです。もう一度自分のまなざしをデザインする。
ゼロにすることは難しいかもしれないけれど、一度問い直して見る。
問い直すことによって、当たり前の世界を改めて見直し、今見ているデザイン(風景)を別の角度から見ると、違った世界が立ち現れてきます。
日々の生活で当たり前になっているものに、問いを持つことが大切ということですね。
ヨシタケシンスケさんの本には「問い」があるのですごく好きなんです。(インタビュー前編にて紹介している、森さんお気に入りの絵本作家)
偏っていたものを中庸に戻すということがマインドフルな状態
――当たり前にあふれているもの「問い」を持つ。大切な視点ですね。
森:偏っていたものを中庸に戻すということがマインドフルな状態ですし、ウェルビーイングだと思うんですね。
どちらかに考えが偏ってしまっていると、大切なものは見えなくなってしまう。それを「問い」によって真ん中に戻すんです。
セミナーに参加した方が「本当の自分に戻れた」という言葉を言ってくださるのは、自分の立ち位置がズレていたことに気付いたり、本来のまなざしに戻れたということだと思うんです。
自分が知っている自分はわずか5%未満
――森さんとお話していると、とても元気が出ますし、自分のことをすごく好きになったり、自分の魅力や可能性に気付ける方が多そうです!
森:ありがとうございます。本当に、皆さん一人ひとりが素晴らしい存在なんです。
どうしても教育や成績、世間一般の評価軸によって「あなたはこうです」と思わされてしまう。
でも本当にそうですか?と私は思います。自分が知っている自分はわずか5%未満です。
95%以上は無意識の中に眠っています。その眠っている魅力を見つけてほしいんです。
新しいことや、やりたいことをやってみて周りに「おかしい」って思われるかもしれないけれど、それでもいいと思います。
それで、自分自身が輝けていたら、「素敵だな」と言ってくれる人が現れるかもしれない。
誰かに決められた枠や価値観にとらわれずに自分らしく生きることがウェルビーイングだと思います。
もちろん社会生活に必要なルールもありますが、枠をちょっとだけ超えてみる勇気を持てたらいいよ、面白いよと思います。