「ちょっと引いてしまったママ友といえば、お子さんの服を熱心に手作りする女性です。
年子のお子さんがいらして、同性だけど双子のように似ていてかわいらしく、『似合うものを着せたい』というのがそのママ友の口癖でした。
気持ちはわかるし、ママ友の裁縫の腕もすごくてフリルやレースのついた服をすぐに仕立てるのは、素直に尊敬していましたね。
園の先生やほかのママさんも『すごいね』『かわいいね』とママ友に話しかける光景はよく見ていましたが、彼女の様子が少しずつ変わってきました。
『◯◯さんの娘さん、あんな裾のよれたTシャツを着せられてかわいそう』『◯◯ちゃん、いつも同じ服ばかりじゃない?』など、ほかの家庭の娘さんの服を一方的にジャッジしだしたのですね。
『うちはそんなことしない』というのが言外に滲んでいて、同意できないし少しずつ会話が窮屈になってきました。
その年の音楽会のときは、彼女が『張り切って作るわ』と鼻息荒く言っていましたが、当日見てみるとお姫さまのような華やかな服で、かわいいけれど明らかに周囲から浮いていましたね。
保護者の人たちが小声で『何あれ』と言っているのが聞こえてきたけれど、当のママ友は『やっぱりうちの子が一番かわいい』と鼻高々、さすがに隣にいるのは嫌で離れて過ごしました。
こだわるのはわかるけれど、よそのお子さんを勝手に『みすぼらしい』とか言うのは人として最低だし、場や状況をわきまえない服を着せられる我が子のことは考えないのか、怖かったですね」(34歳/教員)
誰だって自分の子どもが一番かわいいと思いたいものですが、それを表に出してほかのお子さんを下に見るのはやってはいけないこと。
こだわりは自分の世界だけに収めるのが正解で、プライドを高くし過ぎると敬遠されて当然です。
同時に、我が子がどう見られるか、の客観視を忘れないことが重要ですね。