僕と柊平くんの関係が今のようになれていたからこそ撮れた

©「ワンルームエンジェル」製作委員会・MBS

――役柄としても、実年齢でも歳の差がありますが、どのようにコミュニケーションを取っていたのですか。

上杉:年の差は意識せずに普通に会話をしていました。僕が基本的にあまりしゃべらないので、もしかしたら西村くんに気を使わせていたかなとは思いましたけど(苦笑)、日常会話をさらっとしてくれるので、そこに助けられていました。

西村:逆に楽屋でそれぞれスマホをいじりながら無言でお弁当を食べるときもありました。

上杉:でもそれも全然嫌な感じではないんです。

西村:僕がずっとボケて、柊平くんがそれにツッコミを入れてくれているときもありましたし、自然にコミュニケーションは取っていました。

――二人芝居も多いので、意識して距離を詰めようとすることもあったのかな?と。

上杉:その意識はなかったです。僕は役作りのために普段から仲良くしようとは考えてもいなかったですし、距離を縮めるために意識してご飯に行くとかもしてないですし、そこはカメラが回ればお互いに大丈夫だろうと。先ほど言ったように本読みの時点で感じていたので。

西村:幸紀と天使も特別なイベントはなく、段々と距離が縮まっていくので。ただ最後の撮影が二人で笑い合うシーンだったんですけど、あれは僕と柊平くんの関係が今のようになれていたからこそ撮れたかなとは思います。

上杉:確かにあれは最後じゃなきゃ無理だったかも。あのシーンが撮れたことで、逆に距離が近くなっていたんだろうなと思いました。

――役柄とリンクしながら、お二人の距離も縮まったのですね。

西村:だからこそ、仲良くなってからの5話を撮ったあと、まだ距離のある2話を撮るというようなときは苦戦しました。「どんな感じでしたっけ?」って二人で話しながら。

上杉:難しかったよね。そこって言語化できないような、微妙な関係性だったりするので。どうにか思い出しながら撮影しました。

――ご自身が演じる役柄についてはどう捉えましたか。

上杉:監督とも話をしながら作っていった部分でもあるんですけど、物語の前半の幸紀は生きることに意味を失っていて、セリフにもあるんですけど「死んだってよかった」という感覚で生きています。

何か特別なことがあって自分から死にたいと思っているわけではないから、最後の一歩は踏み出していないけど、生きてる意味がわからない。自分が何かをできて、誰かに影響を与えられる人間だとは思っていないということを前提に作っていきました。

そんな幸紀が天使と出会って少しずつ変わっていく。その細かい変化がこの役の見どころでもあり、一番のポイントだと思います。

西村:年齢が10個も離れた二人が主人公という部分だけを見ると、年下の天使が受け手なのかな?と感じる方も多いと思うんですけど、実は逆なんです。

どちらかと言うと天使が幸紀に対していつもキーワードとなる言葉を言って、幸紀がそれを受けるというシーンが多かったので、その部分は監督さんもすごく大事にされていました。

特に天使が幸紀の気持ちを満たすような言葉を言うときは、カメラ目線のことが多くて、「ここはキュンとするポイントなんだ」ということを考えながら、表情や目線も意識してセリフを言うようにしていました。

それから、天使は記憶を失っていて、過去の自分のことは思い出せないでいるんですけど、実は幸紀は天使について知っていることもあって。

自分のことは自分が一番わかっていると思いがちだけど、実は自分が知らないことをパートナーは気づいているという描写もたくさんあるなと思いました。