本当にこんなに羽が似合う人はいない
――お互いを見ていて、ここは役にハマっているなと思うところはありますか。
上杉:ビジュアルはぴったりですよね。それは誰にでもできることではないのですごいなと思います。声のトーンも、天使を演じているときは普段とは違って使い分けているので、そこもぴったりだなと思いました。
西村:僕としては原作を読んだときに自分がイメージしたものと、現場で求められているものをひたすら提供するという毎日だったんですけど(苦笑)。柊平くんと幸紀の見た目以外の共通点はあまりないような。柊平くんは人生が充実していて、生きる希望しかないんです(笑)。
上杉:確かに(笑)。僕は死んでもいいとは一度も思ったことないです。
西村:でも幸紀を演じているときは、本当に「死んでもいい」と思っていそうな目をされていました。そうやって自分とは全くの別人になれるのがお芝居の良さでもありますよね。
――羽をつけた西村さんのお写真を見たとき、「こんなに羽が似合う人はいない」と感じました。
西村:自発光していますよね(笑)。もともと自分のことは天使だと思っていたので、見えなかった羽がやっと見えたかという……。
上杉:もう(冗談は)止めようか(笑)。
西村:真面目に答えたほうがいいですか(笑)。
上杉:自分が黒い人間だと認めた上でやろう(笑)。
西村:それはやめてくださいよ(笑)。
――(笑)。改めて、羽をつけたときの感想をお願いします。
西村:原作は絵だからできるけど、これをドラマではどう表現するんだろう?と思っていたら、僕が思っていた以上に羽の感じがリアルで驚きました。
初日は羽の調整で2時間くらい撮影時間がオーバーしたんですけど、そのくらい時間をかけて丁寧に撮っていました。この作品のキーになるアイテムでもあるので、つけられるのはうれしかったです。だからもうつけるのもあと数回と思うと寂しいです。
――重くはないのですか。
西村:ちょっと荷物が入ったリュックサックくらいの感覚です。
――肩にかけるのですか。
西村:いや、魔法です(笑)。
上杉:魔法だよね(笑)。ただ肩にかけてはいない。服に何の影響もなくつけられるのがすごい。
――上杉さんは羽をつけた西村さんを見たときどう思いましたか。
上杉:「デカ!」って(笑)。思っていたよりかなり羽が大きいとは思いました。けど、本当にこんなに羽が似合う人はいないですよね。外でのロケのとき、通行人の方とかはやっぱり羽に目を奪われていたんですけど、僕は毎日見ていたから何の違和感も持たなくなっていて。それは西村くんだからこそだと思います。
――ただワンルームという設定の中で、羽をつけてお芝居をするのは大変そうだなとも。
西村:そうなんです。動くのも難しくて。
上杉:近づこうと思っても羽があってできないこともあって、そこはいろいろと工夫が必要でした。
西村:羽でいろんな人を叩いてしまって、謝りながらやっていました(苦笑)。
――西村さんは最初の見た目の印象としては、上杉さんが幸紀にぴったりとおっしゃっていましたが。
西村:でも普段の柊平さんは幸紀よりカッコいいです。今日、久々に前髪を下した感じで現場にいらっしゃったのを見てやっぱりカッコいいなって。
上杉:あははは(笑)。撮影中はずっと前髪を上げてボサボサの髪型だったから。
西村:メイクをしながら伝えようか迷って言えなかったんです。
上杉:言えよ。前髪下りててカッコいいですねって(笑)。
西村:カッコいいの前に「やっぱり」ってつけそうだったので。
上杉:「やっぱり」って言うと角が立つもんね。
西村:幸紀のときは全然カッコ良くなかったんです(笑)。
上杉:ぐうだらだからね(笑)。