佐原先生はしっかりしているように見えて、全然ダメ(笑)
――2人が思う佐原先生、土岐の魅力を教えてください。
岐洲:佐原はちょっとくさいことを言うんですけど、僕も同じように思っていることが多かったです。思っているだけなので、実際に言葉にしてみると恥ずかしくもありましたが(苦笑)。
「当たり前」と言って物事を決めつけないところとか、僕が好きなセリフでもあるんですけど、土岐が自分のことを「悪役上等」って言ったことに対して、「慣れるなよ」って少し怒るところとか。僕も「慣れる」ことに対してはいい印象ばかりでもなく、慣れずに新鮮なほうがいいんじゃないかと思うんです。
そんなふうに佐原のセリフには共感できるものがたくさんあったし、そこは魅力でもあるのではと思いました。
八村:佐原先生はしっかりしているように見えて、全然ダメですよね(笑)。
岐洲:不器用なんだよね。
八村:過去にとらわれて、先に進めない。そういうところは土岐と僕自身、どちらの視点から見ても「支えたい」という気持ちになりました。どこかに欠けているとか、隙があるほうが人間っぽくて近づきやすい。そこは佐原先生のダメなところでありつつ、魅力的な部分でもあると思います。
岐洲:佐原は優しいんです。物語の後半に佐原にとって忘れられない人が出てくるんですけど、自分だったら過去の人をそんなに思い続けられるかな?って。時間が経てば多くの人は気にしなくなるような存在を引きずってしまうのは、佐原に優しさがあるからあるからこそだと思います。
八村:土岐の魅力はやはり好きなことに正直なところだと思います。それは、僕がこの作品を通して視聴者の方に伝えたいと思っていたことでもあります。
岐洲:土岐は本当にピュアで真っ直ぐ。お芝居をしているときも、土岐の真っすぐな言葉と眼差しを受け取ると、自然と笑顔が出てきます。佐原は先生という立場だからしっかりしなければと思っていても、つい土岐には心を許してしまう。
八村:ピュアなヤンキーなので(笑)。
岐洲:ケンカは強いもんね。そういえば、アクションシーンは初めてだったんだよね?
八村:はい。(アクションが)ガチ過ぎてびっくりしました(笑)。
岐洲:結構、戦ってたよね(笑)。カッコ良かった。
八村:台本ではト書きに「ケンカが起きる」と書いてあるだけだったのに、現場にアクションコーディネーターの方がいらっしゃっていて、「ここでこう避けて、そのあと殴ってターンをして、ここで前蹴り行きましょう!」みたいな(苦笑)。
岐洲:でも普段からダンスをやっているだけあって、動きを覚えるのが早かった。
八村:日頃のダンスがここで活きました(笑)。良かったです。アクションは今後もやりたいと思っています。
――今作はラブコメなので距離感が近い場面も多かったと思いますが、照れてしまうことはなかったですか。
岐洲:確かに近かったね(笑)。
八村:最初のほうは照れました(笑)。けど、後半になるに連れて、距離感はあまり意識していなかったかも。
岐洲:たぶん最初のころは近いと感じていたものが、感じなくなってきたんだと思う。距離感自体はずっと近かった気がするから。
八村:でも1話は近くなかったですか? 妄想のシーンも含めてですけど。
岐洲:妄想は別次元だったね(笑)。
八村:佐原がタバコの代わりに飴ちゃんをくれるところとか、顔がめっちゃ近かったじゃないですか。そういうのが後半は少なかった気がするけど、意識しなくなっただけなのか?
岐洲:気にしなくなったんだと思う。僕はとにかく倫太郎が土岐としてすごく真っ直ぐに向かってきてくれるから、ふっと気持ちが緩んでしまって、それはリアルに感じているものでした。