日に日に暖かさが増してきて、穏やかな日差しが気持ち良い季節になりましたね。春は、新しい職場、新しい仲間など変化が多くストレスをため込みやすい季節でもあります。

春を迎えて「不安やイライラを感じやすい」「何だかやる気が出ない」などの症状で悩んでいませんか?

その症状は春特有の肝の乱れによるものかもしれません。今回は春を健やかに過ごすための養生のポイントについて紹介します。

春は体調のバランスを崩しやすい時期

中医学では、春は肝に負担が大きくなりやすい時期とされています。中医学における肝とは、西洋医学でいう肝臓に加え、目、筋肉、自律神経、感情のコントロールなどの機能を指します。

春は朝晩の寒暖差や進学、就職など環境の変化による精神的なストレスから自律神経のバランスを崩しやすいため、不調を引き起こしてしまいます。また、ストレスは肝の不調につながるため、環境の変化が多い春はさまざまな症状が出やすい時期なのです。

「肝」が弱っていると起こる不調

肝は自律神経の働きを調節したり、血液を貯蔵し全身の血液量を調節する役割を担っています。
そのため、肝の働きが弱まると精神面に影響が出たり、自律神経が乱れたりして消化器系に影響を与えることも。

ここでは肝が弱まることで起こるさまざまな不調についてお伝えします。

1.イライラ・不安

肝はストレスや感情の調整も担っているため、肝の不調によりストレス過敏になり、イライラや怒りを感じやすくなってしまいます。

また、憂うつなどの情緒不安定に陥りやすくなります。

2.不眠

肝の機能が低下すると、なかなか寝付けない、眠りが浅い、夜中に目が覚めるなどの症状を招くといわれています。

また、自律神経の乱れも不眠の原因になります。

3.倦怠感

春先は冬にため込んだ老廃物を解毒するため、肝に大きな負担がかかる時期でもあります。肝が弱まり解毒がうまくいかなくなると、体内に老廃物がたまり、疲労感やだるさを感じやすくなるのです。

上記の症状以外にも、耳鳴り、頭痛、月経不順、目の不調などの症状があらわれることも。

春の不調をなくすためにできること

春の不調を改善するためには食生活を整えることも大切です。

ここでは春を元気に過ごすためにおすすめしたい食材と過ごし方を紹介します。

1.肝の調子を整える季節の食材を摂る

中医学では、春は苦みのある食べ物(春菊、たけのこ、セロリ、水菜、菜の花など)を摂ることが好ましいとされています。

苦みは消化を促進し、肝の働きをサポートします。とくに、たらの芽やふきのとうなどの新芽の食材は解毒作用があり、肝をサポートしてくれるので積極的に摂りましょう。また、血を補う食材として、黒豆、黒ごま、アーモンド、きくらげ、ほうれん草、うなぎ、まぐろ、牛肉、レバーなどの食材もおすすめです。

憂うつなどの症状にはジャスミン茶やカモミール、金柑、柚子、カジキマグロ、ピーマンなどの食材がおすすめです。食事の際には肝臓をダメージから守ってくれる緑茶を飲むといいでしょう。

2.酸味を取り入れる

酢、梅干し、柑橘系の果物などの酸味は肝の働きを整えるのに役立つため、日々の食事に取り入れていきましょう。ただし、酸味の摂り過ぎは胃腸に負担となるため、摂り過ぎないようにしましょう。

3.ストレスをためこまない

中医学では、春の養生法として心身ともにリラックスして過ごすことが望ましいとされています。過剰なストレスは肝の働きを弱めるため、ストレスをため込まないことが大切です。好きなものを食べる、運動してリフレッシュする、推し活を楽しむなど自分に合った方法でストレスを解消させ、肝の負担を減らすことを心がけましょう。

春の不調改善には漢方薬もおすすめ

春の不調改善には漢方薬を活用するという選択肢もあります。漢方薬は自然由来の治療薬として効果と安全性が認められており、内科や心療内科でも使われています。日々の食事や生活習慣を整えるのが難しい方でも、漢方薬なら症状や体質に合うものを飲むだけなので手軽に始められ、毎日続けられそうですね。

春の不調の原因としてストレスや気温の寒暖差だけでなく、過労、ホルモンバランスの乱れによって自律神経が乱れることも考えられます。

春の不調の改善には、
・気分の落ち込みを改善する
・血流をよくして自律神経の乱れを整える
・消化・吸収機能を改善してからだの内側から心やからだを元気にする
・ホルモンバランスの乱れを改善する
といった作用のある漢方薬を選び、根本改善を目指しましょう。

<春の不調改善におすすめの漢方薬>
補中益気湯(ほちゅうえっきとう):自律神経の乱れに伴う気(エネルギー)を補うことで気力や体力が回復するよう働きかけ、うつ症状に良く見られる無気力や倦怠感などを改善します。胃腸の働きを高めて、消化・吸収の機能を改善し、必要なところに栄養を届けるとともに、からだに気力を充実させます。

抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ):ストレスや疲れで高ぶった肝を抑えるため、イライラや興奮などの神経の高ぶりを抑えて精神を安定させ、不眠を改善します。
血(栄養)を補い気(エネルギー)を巡らせることで自律神経を安定させる作用があります。

漢方薬は自分の体質に合っていなければ効果を得られないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。漢方薬に詳しい医師や薬剤師に相談しながら自分に合った漢方薬を見極めましょう。

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肝を整えて、春を快適に過ごしましょう

春は冬の間に蓄えていたエネルギーを開放し、元気に活動するのに適した季節です。
肝の働きを整える食材を取り入れたり、ストレス発散を心がけたりして、春を元気に過ごしましょう!

■この記事を書いた人

あんしん漢方薬剤師:山形 ゆかり

薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。

「健康は食から」をモットーに健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-Youtubeチャンネルで簡単薬膳レシピ動画を公開するなど精力的に活動している。

症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

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