ふりかえる時間をもてると

――どうしても技ができない子や落ち込んでいる子に向けて、心がけていることはありますか。

失敗について考えさせる時間をもうけています。体操教室のテーマは10個くらいあって、そのなかに「失敗しても前を向く」というテーマをいれていて。
「失敗ってどう思う?」「下を向かないってどういう意味か分かる?」などの問いかけを、失敗したときではなく普段の時間で行う。そうすればつまずいたときにも気づいてもらいやすいですね。

できないことをなるべく扱わないことも心がけています。できないことをできるようにするための指導に、つい熱心になりがちなので。

――いつのまにか望ましくない方向に子どもを導こうとする自分がいる。気づくにはどうしたらいいのでしょう。

振り返る時間をもつことですかね。続けているとだんだん気づくリズムが速くなっていきます。
教室を終えて毎回反省会をすると、「そういえば15分さかあがりばかりやらせていた!」なんてことが僕にもあるんですよ。

 

子どもに近い大人が活用してくれるといい

――発売された本は子どものつまづきやすいところと大人の指導ポイントが明快に書かれていて使いやすいです。写真が多いのもとっつきやすい気がします。

体操教室での日々の試行錯誤を形にしました。たとえば跳び箱はやたらと走らなくてもとべるんですよ。手のつき方だったり、ジャンプのタイミングだったりが大切なので。
それがわかれば勢いよく走ってぶつかる怖さがなくなる分、チャレンジする子も増えるのではないでしょうか。

――なわとびやかけっこにもふれているのですね。

なわとびは足腰を強くしますし、かけっこは運動能力の底上げをします。体を上手に使えるようになれば体操は自然とできるようになると思うんですよ。
なわとびならただ跳ぶだけじゃなく足踏みしながら縄を回す。かけっこなら片足走りやサイドステップをとりいれる。楽しみつつ身につくアクティビティを選んでいます。

マット・跳び箱・鉄棒を家でするのは難しいけれど、縄跳びや走る練習はどこでもできます。小学校の先生・お母さん・お父さんの参考になればうれしいですね。

 

運動が「できる」ことではなく、運動を「楽しむ」ことを大切にする。本にも教室にも米田さんの信念は反映されています。

「楽しむ」より「できる」を子どもに求めそうになったら一呼吸おいてみる。忘れないようにしたい心がけですね。

 

ライターときどき教員。趣味は実験、デパートの調理器具フロアめぐり、農業。特技は一目見たらだいたいの鍋とフライパンのメーカーを当てられること、4ヵ月で小2に九九を完璧にマスターさせること。ひたすら子育てと教育のニュースを流し続ける「大人スクール」という教育情報サイトもやっています。 Blog

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