元カノの「狙い」とは

Aさんは、藍子さんだけでなく共通の友人にも元カノから聞いた話を伝えており、

「彼もこの話を別の男友達から聞かされて、うんざりしていました。

でも、彼のほうは元カノについて付き合うのが大変なことを以前から友人に話していて、別れたときもすぐ周りに言っていたようで、騒ぎにはなっていませんでした」

まだ別れていないのに藍子さんが男性を口説いた、という元カノのストーリーは、男友達だけでなく藍子さんの友人たちの間でも「じゃあ何で自分からよりを戻してって言わないの」「悔しいだけじゃない?」など、疑問を持つ声が多かったといいます。

「孤立していったのはAで、『元カノの話が本当なら、どうして本人が出て来ないの』と言われていました。

おそらく私と同じことを別の友人からも言われて、元カノのおかしさに気が付いたのかもしれません」

最初はトゲのある剣幕だったAさんは少しずつ勢いをなくしていき、藍子さんに電話をかけてくることもなくなります。

「彼と、元カノはどうして今さらこんなことを言い出したのかって話しました。

そのとき初めて聞いたのですが、それまで何回も別れ話は出ていたそうです。

LINEで書いたのは、元カノが電話に出ないし会おうともしないのが理由で、彼のほうこそ『仕方なく』だったのですね。

それ以降元カノは何も言ってこなくて、『俺から連絡してくるのを待っているのかも』と彼は言っていました」

どうして自分で言わずにAさんを利用するのか、が藍子さんは疑問だったそうで、

「Aは私に近い友人だし、略奪愛の噂を流せば私たちが別れると思ったのかもしれません」

と、肩を落としました。

うがった見方をすれば、自分の作ったストーリーは間違いだとわかっていながら、男性からこれを理由に連絡が来ることを望んだのかもしれない、とも感じました。