T.M.Revolution、アニソン愛が爆発した圧巻のトリ

©Animelo Summer Live 2014/MAGES.
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最後に冒頭の括りと異なるが、初日のトリを務めたT.M.Revolutionについて記述しておきたい。理由は後述する。

まず、たっぷりと間を持たせて、まずは代表曲である『WHITE BREATH』を歌うのだが、この段階で会場が揺れるほどの爆音ウーハーで、最初から全開の歌いっぷりだ。

続けて大勢のファンを惹きつけた『機動戦士ガンダムSEED』シリーズの『INVOKE』、『ignited -イグナイテッド- 』を観客を煽りつつ熱唱するというプロフェッショナル中のプロフェッショナルな男性的な魅力あふれるステージング。センターステージで天を仰ぎ観客席を眺めたり、シャウトアンドレスポンスを行なったりと、存分のパフォーマンスだ。そして最後の曲に移る前のMCでこう述べた。

「僕はかねてから音楽にジャンルとか垣根はないと言い続けてきました。(中略)いろんな国、いろんな地域に行きました。(中略)海外に行くとK-POPや他から出てくる海外のアーティストはものすごいことになっています。だからこそ! 今ここで! アニメソングだとかJ-POPだとか、J-ROCKだとか関係ねーんだよ!!」

と本気で絶叫する西川に会場全体が賛同の唸りを上げる。

「俺達はひとつでしょ。だからONENESSなんでしょ! 自らに規制を作ってどこからどこまでが仲間だとかそうでないとかそんなのどうでもいいんだよ。今俺達がひとつにならなきゃどうするんだよ?」

「俺がこうやってアニメやゲームの主題歌をやらせていただいた当初は、J-POPのアーティストがアニメオタカルチャーに媚びていると言われました。こっちは好きでやってんだよ! どこのどいつに四の五の言われる筋合いはねーんだよ! だよなぁ!? だからその俺の中での始まりの曲を最後に贈るぜ!」

と、西川の立場でしか言い表せない形のアニソン愛溢れる多くの名言を絶叫し、彼の最初のアニソンである『るろうに剣心』のエンディングテーマ『HEART OF SWORD ~夜明け前~』を歌い始めた。これで心震えない観客などひとりもいない。爆音に負けず劣らずの大合唱で応えたり、西川の方もステージをいっぱいに駆け回り、時にはファンからサイリュームを借りて一緒に振るという愛情あふれるステージング。歌声も非常にエモーショナルで見事にトリを務めた。

 

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なお、前年放送の人気作品『革命機ヴァルヴレイヴ』でコラボレートした水樹奈々とは出演日が異なり、その披露が叶わなかったことを唯一残念がったファンもいたことだろうが、3日目のトップバッターに西川がサプライズ出演して水樹とのデュエットを実現させるという、最も予測しない形での実現に歓喜の大声援が送られたことを付記しておく。
 

歴史と実績あるフェスならではのライブ作りを展開した今年のアニサマ。10年の節目においてファンも出演者もさまざまな箇所で高揚したようすが見られたのが今回の特徴だ。

「アニメソング」という存在を軸として、楽曲制作からステージングにおいてさまざまな才能が今ここに集まっていることを一望できるフェスとして、これ以上ないプレゼンスを発揮したアニサマ。すでに次年度の開催が予定されているが、10年目を越えたここからどんなステージとシーンを見せてくれるのか、今から楽しみでならない。

日詰 明嘉(ひづめ あきよし) ライター。『月刊 Newtype』、『月刊声優グランプリ』、『リスアニ!』ほか、各種ムックやパンフレットなどに執筆。声優・アニメソング歌手へのインタビューからアニメ作品の監督やアニメーター、プロデューサーまでアニメに関するさまざまなクリエイターたちへの取材と執筆を手がける。