「家族」たちの間に生まれてくる真の家族愛に注目

冒頭、暗い地下の一室に集められた幼いヨンスら子どもたちに、「おまえたちは家族からも世の中からも捨てられた。これからは私が母親だ」と言い放ち、脱走した者の末路を教える「特教隊」教官の威圧的な面持ちから、ただならぬ雰囲気が伝わってくる。

そこから現在へと時代が移っても殺人事件の報道に始まり、暴力にセクハラ、怪しい宗教など、不穏でまがまがしい描写のオンパレード。血みどろのシーンも多く、飛び散る血の量はハンパない。

ただ、スリラー要素は強いにもかかわらず、これはスプラッターでもホラーでもなく、ホームドラマとしての面白さも満点だ。

自分の家族の異常性に神経を尖らせるジウ。感情を表すことがないものの反抗的なジウに心を痛めるヨンス。誰よりも大事なヨンスを守るためだけに生きているチョルヒ。いつも笑顔を絶やさない天才ハッカーのジフン。そんな彼らをまとめたいと考えるガンソン。

不器用な彼らの関係が少しずつ変化していき、皆で食卓を囲むこともなかった彼らが、いつしか質素なおかずでごはんを一緒に食べるようになる姿に温かな気持ちにさせられる。

ヨンス役のペ・ドゥナが圧倒的な存在感を発揮し、チョルヒ役のリュ・スンボムが彼女と見事に息を合わせた。

成長著しいロモンが、サイコパス気質を心配されるジフンを好演。モデルとして活躍するイ・スヒョンが演技に初挑戦し期待に応えた。

彼らに加え、ベテランのペク・ユンシクがユーモラスな味を漂わせながらガンソン役を演じている。

次回は彼ら俳優たちについて紹介しつつ、その魅力に触れていきたい。

家族計画
映像配信サービスLemino(レミノ)にて日本初独占配信

『韓流ぴあ』ブレーンライター。香港映画から始まって韓国エンターテイメントの魅力に目覚めて20数年。ドラマをはじめとする韓国エンタメについて取材・執筆する日々の中、韓国作品のほかに中国時代劇や台湾作品に割く時間が増加中。

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