日常に潜んでいた束縛・呪縛から自由に!旅がママをあらためて笑顔に
雅代:自分ではそんなつもりはなかったんですけど、育児ストレスが、無意識下で相当溜まっていたみたいで。
一人目の子どもを必死に育てていて、いろんなプレッシャーがあったんだと思います。
思いのほか、子どもも静かにしてくれていたんですよ。気圧が変わって急に泣くとか、マイナスの情報ばっかりインプットしてたから、いろいろ対策しつつもメチャメチャ不安だったんですけど、目をまんまるにしているだけで、ピクリとも動かなかった(笑)
――親孝行なお子さんですね(笑)
雅代:それで滝のように涙を流している自分に、自分でビックリしながら思ったんです。
パパやママが目に見えない束縛や呪縛みたいなものから解放されてリフレッシュして、いきいき笑っているのが、何より子どもにとって大切なものなんじゃないかって。
「なんで私ばっかり」「アレもやらなきゃコレもやらなきゃ」「何か起こったらどうしよう、責められちゃうんじゃないか」って、うじうじ、イライラ、びくびく暮らしているより、いっそのこと、たまに海外に出るのも悪くないなって。
海外旅行って日本から、それまでの育児環境から、物理的に「パツーンッ!」と切り離されちゃうでしょう?
もう、どうしようもないんです。洗濯機もないし、キッチンもないから外食しかできないし。お皿も洗えなーい!もう何もないよーって(笑)
――でも、旅前に感じていた不安は残りますよね?解放感の後、お気持ちに変化はありましたか。
不安その1 健康(医療)について
雅代:初回は私が「日本と同等の医療水準のあるところじゃないと行きたくない」って言って、我が家もタイを選んだんですけど、なんだかんだ言って、その内、ずるずる、ラオスとかに行くように(笑)
周作:これについてはご家庭によって考え方はさまざまだと思いますが、現地の医療事情については安心できるところを事前に調べておいて、保険に入っておくこともできますから。僕たち「たびえもん」にそんなお問い合わせをいただくことも多くて、ご相談に乗ったりもしています。
不安その2 安全(治安と食)について
周作:治安については、大人だって治安の悪いところは旅行先に選ばないと思います。それは子連れであっても同じです。
雅代:ママとして気になりがちな“食の安全”についていえば。
例えば私のハマったラオスなんて、鶏はもれなく地鶏ですよ!ブロイラーなんていない。みんな走り回っているから、お肉もムチムチでおいしい!ビールが進みます(笑)
おいしいものを食べるのって、親子でハッピーですよね。自分で作らないご飯が出てくるってだけでうれしいところもあるかもしれませんが(笑)
周作:アジアは、食という意味では子連れ向きかもしれませんね。何かしら子どもが食べられるものがありますから。食べやすいチャーハンみたいなメニューが必ずあるので、意外かもしれませんが、あんまり食事には困らないんです。
もし屋台のようなところに行くのがお好きなご両親であれば、屋台飯もどんどん食べてもらっていいし、子どもには衛生的にちょっと避けたいな、というのであれば、ほかに変わるものがいくらでも売っていたりします。
日本のセブンイレブンが出店しているところも多いですからね。日系コンビニの活用術についてはインタビュー後編の【実践編】でも触れますが、ファミリーには心強いですよ。
雅代:ご参考までに我が家の子どもについていえば、味覚については現地の食に全く抵抗がない時と、ひどく保守的な時と両極端です。
ニューカレドニアでポリネシアの伝統料理として、甘いのか甘くないのか分かんないバナナの蒸し物みたいなのが出てきたことがあって、スイーツじゃなくて、ごはん代わりのメニューなようなんですが、大人はちょっと食べられないなぁと思って「ごめんなさい!」と、葉っぱにそっとくるんでよけようとしたら・・・
おもむろに娘が「うむむむ、もぐもぐ」って食べ始めて、この子すごいわ、と(笑)
そうかと思えば、どうしても味に慣れなくて「出汁を出せ!あの繊細な風味はどこだ?」と、お丼をひっくり返して泣いて怒った子もいました。「そろそろ味噌汁が飲みたい!」とでも言うように(笑)
どっちに転ぶかはいつも私も“出たとこ勝負”なんですけど、そう割り切れたらそれなりに楽しめるのではないでしょうか。