ノーベル賞経済学者も認める0歳からの教育効果!「非認知能力」が将来を変える
周作:ノーベル経済学賞を受賞したシカゴ大学のジェームズ・ヘックマン教授によれば、0歳とか1歳とか、要は赤ちゃんの時の学習や経験が「非認知能力」と呼ばれるスキルを育て、子どもの成長にプラスになるのだそうです。
見たことのない景色を見るとか、話したことのない人と話したりとか。それがたとえ、将来的な記憶に残らなくても。
――「非認知能力」はいま、乳幼児教育の現場でトレンドとされている考え方ですね。IQなどで測れる「認知能力」に対して、IQなどで測れない内面の力が「非認知能力」。例えば「目標に向かって頑張る力」「ほかの人とうまく関わる力」「感情をコントロールする力」などが代表的なものとされるとか。
周作:まさに「生きる力」そのものですよね。
雅代:子どもの認識力ということで考えれば、たしかに記憶には残っていませんが、赤ちゃんでも「普段と違うところにいる」ことは絶対に分かっていると思います。旅行中はいつも目をまんまるにしてキョロッキョロキョロッキョロしてるんで(笑)
周作:子どもにとって「旅」が、すごい刺激なのは間違いない。ただそれを自分で言語化できないので、笑うか泣くか怒るか、そんな反応しかできないと思うんですけど。でもその瞬間が子どもの「非認知能力」を育てて、将来的な「生きる力」を育んでいるのです。
つまり「旅育」は無駄どころか、積極的にどんどん取り入れた方がいい。子どもが忘れちゃうからといって出かけない方が、逆にこの貴重な時期を逃す“もったいない”こととも言えるのではないでしょうか。
雅代:それにもうひとつ、子どもにはもちろん、ママやパパにとって「旅育」のチャンスを逃したら、すっごーく惜しいことがあるんですよ。
周作:ある、ある。家族にとって一番いいことがあるよね。
――家族にとって、一番いいこと?
周作:やっぱり海外って、日数がどうしてもかかるじゃないですか。それに24時間、ずーっと一緒にいる。寝るのも一緒なら、ごはんも一緒です。
日常生活では、朝しか会えなかったり、夜に寝顔しか見られなかったり、そんなご家庭もあるでしょう?
まして子どもが小学校に上がったりすると、それこそ普段どんな風に過ごしているのか、よく分からなかったりとか。
雅代:ママやパパにとって、ヒマな時間って、実はないんですよ。
なんかいーっつも、手が動いていませんか。家事とか、仕事とか。アレ考えて、コレ考えて、せかせかしちゃって。頭の中は段取りでいっぱいで。
海外に行ったら、そんな段取りなんてあっけなく木っ端みじんです。
「あ、また遅延?2時間待ち?」とか(笑)
そういうヒマな時間が、すごく財産になる。飛行機や電車の遅延待ちの時間とか、飛行機に乗って運ばれている時間とか。もう一通りのことをして飽きちゃって、間が開いちゃって。
そんな時間に、ずーっとしゃべったりとか、ひたすらUNOしてるとか。
ああいう時間は家族にとって、すごく“かけがえのないもの”だなぁって思うんです。子どもの成長にプラスとか、ママがリフレッシュするとか、そういうことも「旅育」の良さですが、この“かけがえのない時間”こそがもしかすると、一番大切にしたいところかもしれません。
まとめ
「たびえもん」のお二人の「旅育」【イントロ編】を伺って「子連れ旅」に出かけたくてウズウズしてきた方もいらっしゃるのでは?
続いての【実践編】では目的地の選び方に始まり、0歳~の年齢別楽しみ方、さらには渋るパパの説得方法(?)まで幅広くお伺いしてゆきます。どうぞご期待ください!
【取材協力】株式会社たびえもん 木舟周作さん・雅代さんご夫妻
「旅の力でみんなの夢をかなえる会社」として2012年4月、株式会社たびえもんをスタート。創業理念として「旅育」を掲げ、メディアや講演を通じて旅の楽しさと「旅育」を発信中。周作氏の著書に『海外旅行で子供は育つ!! (子供の人生を豊かにする“旅育"のススメ)』がある。