【旅育アルバムより】ドバイ(2011夏)渡し船の乗り場にて(4歳、2歳) 株式会社たびえもん

不安その3 子連れ移動について

雅代:旅前の不安という点では、子連れ移動についての不安が、一番劇的に変わったかもしれません。

――やっぱり荷物も多いし、大変だったからですか?

雅代:日本はおそらく、世界で一番、バリアフリーが進んでいる国のひとつですよね。

地下鉄の駅でも大抵、スロープもエレベーターもあって、ベビーカーを押して歩きやすい。

海外のインフラは、まったく整っていないところがいっぱいです。ベビーカーを押していても段差だらけ、穴ぼこだらけ。車も、信号があるのかないのかくらいの勢いでブンブン飛ばしていたりとか。駅にエレベーターがあっても、すごーく遠回りをしなくちゃならないとか。

でも!それを補って余りある人の親切さがあって、私は逆に安心できるんですよ。

――逆に、安心できる?

雅代:海外の多くの場所では、みんな子どもに、メチャクチャ優しいんです。

日本は、ココよりいいところなんてないくらい設備は整っていて素晴らしいんですけど、あとはママやパパの自己責任みたいなところがあって、子どもが泣いたりしても肩身が狭かったりするじゃないですか。

タイに行った時のことなんですけど、トラックの荷台を改造したような乗り合いバスみたいなのに乗ったんですね。子どもは寝ていたので、座席の上に寝っ転がらせておいたら、峠道に差し掛かったんです。

そうしたらタイ人のおじいちゃんが「ここからは峠道になってガタガタ!子どもが壁に頭をぶつけるから、このタオルを挟め!」みたいなことを、タイ語で言ってくれるんですよ。で、ちょっと汚れたタオルをぐいぐい差し出してくる。タイ語はまったく分かりませんが、言っていることは分かりました(笑)

ほかにも、これはイギリスで地下鉄から降りようとしたら、全身タトゥーまみれのマッチョなお兄さんがいきなりベビーカーをガッと持ち上げるんです。一瞬ギョッとしましたけど、お兄さんはまたホームにガッと下ろして、何事もなかったかのようにスタスタ歩いて行っちゃう。

そういうことが当たり前だっていうのがすごく楽で、インフラなんてなくっても却って出歩きやすい。

我が家は東京の練馬区にあるんですけど、免許の更新に江東区まで行く方がむしろ憂鬱なほど・・・都内は子連れのための施設はほぼ完備していますけど、それよりラオスに行く方が気が楽みたいな(笑)

周作:日本は、他人に干渉しないっていうのが強いですよね、先進国ほどその傾向はあるんですけど。

他人に干渉しないといえば、僕にも恥ずかしい失敗談があるんですよ(笑)

日本ではありえない!?旅育プロのトホホ失敗談

周作:イタリアのベネチアに行った時に、あそこは水の都と呼ばれるようなところですから、ヴァポレットというローカルな公共水上バスがあるんですが、僕と子どもも現地の方たちと一緒にそれに乗って、いわゆる水上観光を楽しんでいたんですね。

それで僕が子どもからちょっと目を離した隙に、水上バスがすごく揺れたんですよ。幸い落ちなかったから良かったんですけど、そばにいたヨーロピアンのママに、メチャメチャ怒られました。

――お子さんが、ですか?

周作:いえ、僕が(笑)

「何やってんのッ!子どもから目を離しちゃダメじゃないのッ!」って・・・

例えばこれが日本の遊覧船で、あるママが他人のパパをメチャメチャ怒るっていうシチュエーションは、まぁないですよね。すごい剣幕で怒られて、僕も驚くやら怖いやら。

雅代:私はたまたまその場に居合わせなかったんですけど、子どもが「お父さん、メチャメチャ怒られたんだよ」って報告してくれるくらいでしたから、相当だったんだと思います(笑)

周作:そういう、いい意味での干渉というのが日本ではなくなっているのかもしれないですね。昔はあったのかもしれないですけど。

――不安がひとつひとつなくなっていった経緯を伺っていたら案外「子連れで海外も行けるかも!」という気がしてきました(笑)

ただもうひとつ気になるのは、木舟さんご夫妻は乳幼児期からの「旅育」を勧めていらっしゃいますが、幼い頃の記憶なんて残らないし、にも関わらずお金のかかる外国へ連れてゆくなんて“もったいない”ようにも思うのですが。

雅代:それ、すごい言われますねッ!

周作:でも最新の研究結果では、決してそんなことはないんですよ。