『ポッサム〜愛と運命を盗んだ男〜』『仮釈放審査官 イ・ハンシン』など話題作への出演を重ね、女優として一層の輝きを放つ少女時代のクォン・ユリ。最新出演映画『侵蝕』の裏側から少女時代のメンバーとの交流まで、たっぷりとインタビューした。
9月5日より日本公開される映画『侵蝕』。20年前のある出来事をきっかけに心を閉ざした女性と、記憶を失った彼女のもとに現れた謎の侵入者。過去と現在、2つの物語が交錯しながら、日常に忍び寄る狂気を描いた“精神崩壊スリラー”だ。
これまでの明るく快活なイメージとは一転、暗く感情を抑えたキム・ミンを化粧っ気のない姿で熱演しているのは、K-POPを代表するガールズグループ 少女時代のメンバーであり、女優としても活躍の場を広げるクォン・ユリ。今作で新境地を見せている。
1ヵ月間、ほぼ毎日顔を合わせ役作り
――初めて脚本を読んだ時の印象を教えてください。
複雑に入り組んだ女性たちのストーリーに、同性としても共感する場面がありました。いっぽうで「これはどうなんだろう?」と異なる考えを持つところもありましたが、先の展開が気になって脚本に没入していくうちに、作品の強烈な題材に惹かれ出演してみたいという気持ちが生まれました。キム・ミンというキャラクターの持つミステリアスな雰囲気を表現してみたいと思ったんです。
――これまでのユリさんのイメージとは異なる、非常に難しい役柄だったと思います。役作りで苦労された点は?
そうですね。これまで私が演じてきた中でも、最も荒々しく“生”の感情をむき出しにする人物でした。そのため、近い雰囲気を持った映画や本をたくさん見たり読んだりして、自分なりに準備をしました。
――ミンの前に現れる謎の来訪者を演じたイ・ソルさんとは初共演。キム・ヨジョン監督、イ・ジョンチャン監督とも初タッグだったそうですね。
3人とは初めてだったので毎日のように顔を合わせて、まるで演劇の稽古のようにセリフ合わせをしたり、動きを確認したりする作業を続けました。1か月近くそんな日々が続いたことで、自然とキャラクターに同化していけたのだと思います。
“現場で生きている”感覚を楽しめた
――撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?
女性4人のキャラクターが中心となる作品は珍しかったので、より連帯感が高まりましたし、強い信頼関係のもとに撮影が進められていたと思います。ただ明るく和気あいあいというよりは、作品同様、少し張り詰めた空気もあって。その雰囲気が逆に集中しやすさを生んで、役に深く入り込むことができました。天気もどこか寒々しく、作品の世界観にぴったりでした。
――激しい感情の起伏やアクションもある中で、オン・オフの切り替えはどうされていましたか?
私はもともと撮影しながらその人物に入り込んでいき、“現場で(役として)生きている”感覚を楽しむタイプです。なので、ハードに感じたり気分が沈んだりということはありませんでした。むしろ、シーンがうまくいくとストレスが解消されていきました。

































