一気に引き込まれる運命的な恋の始まり

一方で、どんなイケメンキャラにも視聴者の心をくすぐる“抜け感”を巧みに宿すパク・ソジュンは、本作でもその魅力をいかんなく発揮し、ちょっぴりさえないギョンドを好演。純愛ラブストーリーだがクスッと笑えるシーンも散りばめられており、パク・ソジュンの絶妙なバランス感覚が光る。

パク・ソジュンは出演を決めた理由の一つとして「自分が生きてきた時代を演じられる点が魅力的だった」と語っており、等身大のキャラクターを演じる姿は必見だ。(ギョンドが2007年に大学1年生ということは、1988年生まれのパク・ソジュンと同い年のはず)

互いに相手を見るけれど視線が絶妙にすれ違ったり、有線イヤホンを片方ずつシェアして同じ音楽を聴いたりと、みずみずしさいっぱいに描かれる大学時代は、誰もが青春の日々を思い出すはず。

その中で第1話のハイライトとなるのが、桜並木でのシーン。最終バスに乗り遅れないようにジウがギョンドの手を引いて走り、途中からギョンドがジウの手を引いて走っていく。桜が舞い散る桜並木が幻想的な、ロマンチックで美しいシーンだ。韓国ドラマには桜が印象的な名シーンが数多くあるが、本作もその一つとして長く記憶されることだろう。

このシーンは、ジウに約束をすっぽかされたギョンドが、帰り道の桜並木でベンチにぽつんと腰掛けるジウと遭遇するというシーンなのだが、舞台挨拶ではパク・ソジュンから「監督が花びらを美しく散らすことにこだわって強力な扇風機を使用したので、お互いにせりふが聴こえなくて大変でした。でも、とてもきれいに撮れていて、その時少し(監督を)憎いと思った感情はすぐに消え去りました」とユーモアを交えた裏話が明かされた。

そして、現在。ギョンドの悪い予感は的中し、ジウがギョンドの前に現れる。10年ぶりに再会したギョンドとジウの間に流れる空気は冷たく、ジウの相手の感情を揺さぶるような挑発的な口調はそのままだが、かつてはその言葉に好奇心や期待、愛情が込められていたとしたら、今はトゲでぎっしりと覆われている。大学時代と現在が交互に描かれる中で、パク・ソジュンとウォン・ジアンがその温度差を見事に演じ分けている。

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