2.時間がかかっても辛抱強く待つ
子どもは大人のように器用ではありません。だから却って面倒なことになることもあります。
例えば
- タオルを畳ませたらグチャグチャで、かえって畳み直すのに時間がかかってしまう
- 食器を下げさせたら落としたり割ったりする
- 食器を洗わせたら裏がベトベトになる
- 洗剤をやたら多く使う
でも、これで「やっぱりまだ無理だわ」と思いやらせないでいると、家事をするのはずっと親だけになってしまいます。
最初は時間がかかるかもしれませんが、やり方を丁寧に教えて行けばだんだんとうまくなります。長い目で見れば時間のロスは少なくて済みます。
明日着る服を自分で出す、食べた食器は下げる、こぼしたものを自分で拭く、子どもがやってくれれば楽できますよ。
3.失敗を咎めない
洗い物をさせたら洗剤を大量に使う、しょっちゅう割る、裏にべったり納豆のネバネバが残っている。
こんなとき、つい「お手伝いするんだからもっとしっかり洗って」、「洗剤を大量に使わないで」とダメ出しをしたくなりますよね。でも、慣れていないだけなのですから、ここはぐっとこらえて黙っていましょう。
せっかく手伝ったのにネチネチ言われたら、「もう二度と食器洗いなんかするもんか!」と思ってしまいます。それに子どもの目の前で洗い直しをするのはかなり嫌味です。
「ちゃんと洗えていないな……」と思ったら子どもが寝てからにしましょう。回数をこなせば、誰でもうまくなります。ママも毎日やっているから料理も片付けもうまくなってきていませんか。
ここでの目的は、子どもに上手にやらせることではなく、お手伝いを“経験させる”ことです。上手くは出来なくても叱らないようにしましょうね。
これは夫に家事分担させる時も同様です。
小学校4年生の女の子が小さいうちから家のことをやっていました。このころには料理もするようになっていました。
ある日、初めて味噌汁を作ったときにサイコロ型のコンニャクだけが具として入っていましたが、「これは具にふさわしくない」と注意することはしないで、母親は「面白い具ねえ。美味しい、美味しい」と言って食べてやりました。
その子は成人していますが料理の腕はプロ級です。
4.毎日やらせる
眠い、遊びたい、気の向くままにやったりやらなかったりですと習慣化はできません。体調を崩していない限り、必ず家族の一員の仕事として欠かさずやらせましょう。
5.エサで釣らない
お手伝いをしたら…と、飴やおもちゃを買い与えるのは止めましょう。
それがないとやらない習慣がついてしまうからです。ママだって掃除洗濯したからとお給料はもらっていないですよね。ママはお手伝いさん、子ども、夫は報酬をもらう王様に育ててはなりません。
掃除機のかけ方
掃除機をかけることは喜んでやってくれるお手伝いの一つです。でも、“四角い部屋に丸く掃除機をかける”のではダメですよね。しかし、見えない埃を吸い取る掃除機のかけかたは案外子どもにはハードルが高いです。
まず、あえて目に見える埃を作りましょう。色紙を小さく切って部屋中にばらまくのです。そのときは隅までまいてください。そして掃除機で「この色紙を全部吸い取ってね」と言ってください。
これが出来るようになったら「今日から色紙はないけれど、床には目に見えない埃がたくさんあるのよ。さあ、この部屋をピカピカにできるかな?」と言ってやらせましょう。もう、“四角い部屋に丸く掃除機をかける”ことはしなくなるでしょう。
掃除後、ごみパックを開けて「ほら、こんなに吸い取ったね。上手に部屋の隅々まで掃除機かけられたね。上手になったね」と埃を実際に見せて褒めてやりましょう。
夢のような日を迎えるために
小学生になったからといって急にお手伝いするようにはなりません。
そのままずるずると大きくなり成人した子どもに対して「うちの子は料理も洗濯も手伝わないで出されたご飯を食べるだけ、どうしてこんな風になっちゃたんでしょう」と嘆いているおばさま達が結構います。娘の部屋の掃除も年老いた親がやっていたりします。
でも、その要因は「危ないから」「却って手間がかかるから」とやらせなかったことにあったりするんですよ。
こうならないためにも今から少しずつ習慣づけましょう。ママが帰ったら子どもの作った料理が完成している、そんな夢のような日がやってくるかもしれませんね。