おかしいな、いつもならそろそろ治ってもいい季節なのに…。そんな違和感を感じている人は、ひょっとしたら根本的な間違いを犯しているのかも? それ「ちくのう症」じゃないですか?

鼻水も出るし、ぼーっとしちゃうし、朝なんて息苦しさで目が覚める。そんな辛い花粉の日々もそろそろ終わりですよね。ジメジメとした梅雨は嫌だけど、やっとスッキリとした毎日をおくれるようになります。しかし、それにしても今年の花粉は長引くなぁ……。

なんて。いつもより長引く花粉症に違和感を感じているなら注意したほうがいいかもしれません。実はそれ、「ちくのう症」である可能性もあるのです。

身近で厄介な病気…ちくのう症とは?

ちくのう症とは、目と鼻の間にある副鼻腔という空洞が雑菌に侵され、炎症を起こして膿が溜まってしまう病気です。正式な医学病名としては「副鼻腔炎」というのですが、「ちくのう症(蓄膿症)」という呼び方も広まっています。

初期症状としては、鼻水、だるさ、鼻詰まりなどが起こります。花粉症や風邪によく似た症状なので、なかなか気づきにくい病気ですが、湿度の多い梅雨や暑い夏などでもかかる病気です。日本呼吸器学会呼吸器専門医の佐藤留美医師によると、

『風邪やちくのう症の原因となる雑菌は数多くあります。こういった雑菌は、一般的に寒い冬だけ流行する、と思われがちですが、実は暑い湿気の環境が好条件となって繁殖する雑菌もあるのです。こういった雑菌が副鼻腔に侵入し、炎症を起こして、ちくのう症となるのです』

とのこと。シーズン関係なく引き起こされる病気なんですね。

また、小林製薬の調査によると、20〜60代の6人にひとりが実はちくのう症の経験者であるといったデータもあるなど、ちくのう症は誰でもなり得る、身近で厄介な病気です。花粉症を例にあげましたが、「風邪っぽい症状が妙に長引く」といった時もちくのう症の疑いがあります。夏風邪をこじらせてちくのう症になってしまうといったケースもあるので、早期発見・早期治療を心がけましょう。