12月19日、中野坂上に食パン専門店がオープンした。これまで数々のパンの名店をプロデュースしてきた岸本拓也さんが手がけた高級食パン店だ。その名も『うん間違いないっ!』。

パンの開発中、試食を続けるうちに、誰ともなく「この味、この口どけの良さなら間違いない」とつぶやいたことから、言い得て妙な屋号に決定した。

供する食パンは2種類。プレーンの『Oh!間違いない』(800円)と、レーズンパンの『絶対100パーセント』(980円)。

「うまいめし」は、オープン前日にひらかれた内覧会に出席。この店をプロデュースした岸本さんを取材した。

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開口一番、岸本さんはこう語った。

「違いがわからない人にもわかる味を探求しました。美味しさを超えた楽しさを追求したパンを提供させていただきます」

ときどき、料理の味がわからない人がいますよね。クロワッサンとカレーパンの違いこそわかるけど、美味しいのか、どんな特徴があるのか、理解できない人が。

『うん間違いないっ!』の食パンは、そんな人でも「このパンはここが違う」といわしめることができるパンをめざした、というのである。

では、『うん間違いないっ!』の食パンのどこが間違いないなのか? それは素材から生まれる美味しさであり、違いだという。

小麦は主にカナダ産。その小麦を特殊な製法で、きめ細かくひいている。それにより口溶け感を向上させた。

砂糖は、奄美のサトウキビを原材料とするざらめ糖。塩は、奄美産の真塩(ましゅ)を厳選。
真塩はミネラルが豊富で、まろやかな甘みがある。

「その真塩が、砂糖のコクと甘さを引き出す効果があります」と岸本さんは説く。

コンセプトの構築から商品開発までに3年かかったパンを試食させてもらった。

まずは、プレーンの『Oh!間違いない』。

生地がきめ細かく、耳が非常に薄い、というのが第一印象だった。

食感は、食パンというよりもケーキのスポンジに近い。

ふだん食べている食パンは、耳が耳だと主張するぐらいかたいものもある。サンドイッチにする場合、耳をカットする。

ところが、『Oh!間違いない』は、耳とパン本体の差がないぐらいやわらかい。しかも耳も甘い。