「愛情こめた料理はおいしい。」そう信じて、毎日、家族のために愛情をたっぷりこめて、食事を作っているママは多いのではないでしょうか。
わかりやすいのが、機械でにぎられた市販のおにぎりよりも、お母さんがにぎった手作りのおにぎりはやっぱりおいしいということ。本当に、見た目はもちろん、味も食感もまったく異なるものですよね。
一方で、忙しいときに適当に自分ひとりのために作った料理は、なんだか味気なく感じることも。それがたとえ、同じ食材、調味料で同じレシピと調理法で行ったとしてもです。
今回は、愛情料理研究家の土岐山協子さんに「愛情こめた料理」が抜群においしく感じる秘密を伺いました。
愛情をこめると本当に料理がおいしくなる!
土岐山さんによると、愛情をこめて料理を作ると、本当においしくなるといいます。
土岐山協子さん(以下、土岐山)「私は料理が苦手なお母さんに向けての料理教室をしているのですが、料理をおいしく作る自信がなくて、混ぜるだけの調味料を使ったり、スーパーのお惣菜の力を借りたりするというお母さんに、まずはごはんを炊いて味噌汁を作るだけでよいですからとお伝えします。
味噌汁も市販のだし入り味噌ではなく、昆布を一晩水につけて、昔ながらの製法で作られたお味噌屋さんのお味噌を買って、気軽に作ってみてくださいと。
するといつもは味噌汁を飲まない我が子が『おいしい!』とおかわりをするようになったなどのご報告をうけることがとても多いですね」
まるで魔法のようなできごとですが、きっと多くのママたちも、こんな経験をしたことはあるのでは?
食材を変えたり、手間暇かけて丁寧に作ったりした結果、なぜ味噌汁はそこまでおいしくなったのでしょうか?
土岐山「味噌汁がおいしくなった例ですが、これは食材を変えたせいだけではなく、なんとか家族に美味しい料理を作りたいと教室にまで通う決心をしたお母さんの家族への思いのなせる技だと私は思います。
『愛情をこめる』ことで料理の味が変わるかといえば、それは科学的には証明しにくい。ですが、やはり作り手側の気持ちは必ず、手を通して料理にそのときの気持ちが入るものだと思います。
そしてもちろん、『おいしいかどうか』を判断するのは食べ手側です。そのときに大きく関わるのは『食べるときの気持ち』であると思います。
お母さんが台所に立っている姿を見て、自分のために一生懸命料理をしているのだと嬉しく思えば思うほど、料理がおいしく感じられるのだと思います。大好きなお母さんが手をかけた料理が、子どもにとって一番のおいしいごちそうですね」
愛情をたっぷりこめておいしくするコツは?
そうと分かれば、家族においしく毎日の料理を食べてもらうために、ぜひ愛情をたっぷりこめて料理を作りたいものですよね。そこで土岐山さんにおいしくするコツを教えていただきました。
1.基本調味料を昔ながらの製法のものに変えてみる
土岐山「例えば醤油は、昔ながらの製法と、そうではなく急いで作られたものがあります。ゆっくりと時間をかけて丁寧に作られた醤油には、作り手側の愛情がたっぷり込められています。
その愛情がこもった調味料の力を借りることで、料理がもっともっとおいしくなります。
昔ながらの製法のものは、時間がかけてある分、お値段が張りますが『家族のためなら数百円高くても買おう!』というお母さんの心意気が一番料理に反映されると私は思います」