筆者のスクールでいじめをなくすためにしていることは?
いじめは当然ながら集団生活の中で起こる出来事ですから、親よりも保育士や教師の方が目にする機会は多いはずです。
ですから、本来なら、保育士や教師がいじめの芽を摘む必要があると思います。
筆者のスクールは、子ども同士の自由な関わりを大切にしていますので、保育園に近いと言えるかもしれませんが、いじめと思えることに関しては口出しします。
なぜなら、子どもにはその言動がいじめになるかどうか、まだわからないからです。
それを教えてあげることが、いじめっ子を無くすことにつながると思うからです。
たとえば片方は相手を面白がらせようとふざけているつもりでも、受ける相手が嫌がっていたら、それはもういじめになってしまいます。
一対一のケースは、ある程度大らかに見ることはできます。それは弱いと思われる子が強い子に憧れて仲良くしていることも多いからです。
一方、大勢で一人をおふざけの対象にしている時は、要注意です。たとえば、悪者ごっこで、一人が悪い鬼の役をやって遊んでいるということもありますから、様子を見ます。
そして、たとえそういう遊びであっても、攻撃が行き過ぎた時は、注意したり止めます。
筆者はいじめに関して次のような標語を作って子ども達に言わせています。
「それいじめ あいてがいやがることやめて」「おおぜいでひとりをこうげき ひきょうだよ」
これ以上は許されないという限度を教えるが大切なのです。
わが子をいじめる側にさせないためには?
いじめに関しては、集団生活の場で教えることができればベストなのですが、残念ながら、多くの保育園や幼稚園では、そこまで手が回らないというのが現状ではないでしょうか?
保育園では、手のかかる乳幼児を多く抱えていますし、幼稚園では子どもに一斉に何かをさせることが多いので、集団をまとめることに神経を使います。
ですから、わが子をいじめる側にさせないためには、親が意識して教えていく必要があると思います。
他の子と遊ばせる機会を作りながら観察できれば一番わかりやすいのですが、そういう機会は、なかなか作れないかもしれませんね。
そこで、親子間や兄弟間でも教えられる声掛けをご紹介しておきましょう。
おふざけの度が過ぎた時や同じことをしつこくやってきた時などに言ってください。
「もうそれ面白く(楽しく)ないよ」
「それ以上やったらいじめになっちゃうよ」
「そんなにしつこくされたら、誰でも嫌だと思うな」
「それ自分がやられたら嬉しい(楽しい)?」
「もうそれ止めてほしいな」
こうして、自分の言動を相手が不愉快に思っているということを、きちんと伝えてあげると、どこまでなら許されるか、どこからがいじめになるのかの限度がわかっていきます。
同時に、自分がされて嫌だと感じた時に「やめて!」と言ってもいいのだということも、教えていることになるのです。
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いじめをなくすには、いじめる子を無くすしかありません。
いじめる子を無くすには、どんなことがいじめになるのかを、幼児期にしっかり教えてあげるしかないのです。
大事なことですから、園に任せっきりというのではなく、家庭でもしっかり教えてあげてくださいね。