“世界一の花火”の基準って?

では、“世界一の花火”はなにが決め手になるのでしょうか? 尺玉のサイズ? 打ち上げ数? 配色? 日本と海外の花火ってどう違うの? そもそも、誰がどのようにして決めるのでしょうか。

そこで、ハウステンボス広報担当課に話を聞きました。

「日本の花火は、形の正確さと色合いの美しさを重視していて、特に丸い形は世界でもクオリティが高いんです」細やかな形と繊細な色彩は、日本人だからこそ表現できるのでしょう。

©ハウステンボス/J-17104 世界花火師競技会決勝戦が行なわれる(春の)九州一花火大会(の様子)

対して、海外の花火はダイナミック。「全体のスケール感や音楽との連動性を重視しています。形も丸型にこだわらず、縦の細長や横に広がる扇型などさまざまですね」

海外の花火がこのような形になったのは、そもそも海外の花火はエンターテインメントの“ショー的”に使用されるためであることから由来しているようです。日本と海外では同じ花火でも、見せ方はまったく異なります。色彩、形、音楽、ストーリー…花火からその国独自の文化が堪能できそうです。

そんな、異なる文化同士を戦わせるというのですから、“世界一の花火”を決めるのもなかなか難しいでしょう。一体どのようにして選定しているのでしょうか?

広報課によると、「決定権は、観覧席のお客様にあります」ということ。「エンターテインメントとして、いかにお客様を感動させられたか?」に尽きるので、具体的にこれという基準はなく、大事なのは、いかに心が動かされたかということ。それも“テーマパークとして非日常を楽しんでもらいたい”というハウステンボスの理念に基づいているのでしょう。

ハウステンボスと同様に、今年出場する花火師たちも「花火を通して感動させたい!」というアツい想いで挑みます。今年、国内予選に参加する選りすぐりの4社の花火師にお話を伺いました。