上の世代からのエールも
――ちょっと上の世代から、もしくは親くらいの世代からの反響はどんなものがありましたか?
ボ「インスタグラムやツイッターのフォロワーさんは、基本的には私と同世代かちょっと下の世代が多いのですが、たまに50代、60代の方もいます。
そういった方たちからも好意的なコメントをいただいていて、“そうだよそれでいいんだよ、最近のママたちはがんばりすぎてるよって、私たちが言ってるって伝えて”って。
皆さん、“昔は便利なものはなかったけれど、もっと周りの人も助けてくれたし、社会も子どもにもっと寛容だった”ってことを、共通しておっしゃって、励ましてくれます」
――ボンベイさんは、子育てを卒業された世代の方たちの声も代弁しているのですね。
子育てが楽になるアイディアの源
ボ「私は本当に、特別なことを言っているわけではないと思うんですよ。ただ、勇気を出して、みんなが言いたいけど言えなかったことを言っているだけなんですね。
私の発信に紐づけて、実は私も同じようなことやってたよって手を挙げたりしてくれる人が多いことを知って、発信してきてよかったなと思っています」
――特別なことではない、とおっしゃいますが、決してそんなことはないと思います。ツイッターを拝見させていただいているのですが、小さなことへの違和感にちゃんと気づいて言語化されている感受性の鋭さを感じます。
そういった違和感って気づかなくてもなんとかなってしまうことも多いですが、気づかなければ問題が明るみに出ないし、現状を変えていこうという風にはなりませんよね。
ところで、ボンベイさんが考えつく困った子どもへの対処法って、すごくユニークですよね。パジャマ代わりのコスプレ大会とか。そういうアイディアはどうやって思いついたのでしょうか。
ボ「もともと、ビジネス書がすごく好きで、仕事に使えるかなと思って読んでいたのを子育てに応用している感じです。いわゆる子育て論って、ビジネスとは違って、感情とか愛情を重視して語られることが多いですよね。
でも子育ての大半って、ほぼ“タスク”じゃないですか。そう考えたら、効率的に子育てを回すとか、必要なものに力を入れて、要らないものは排除するっていうビジネス的な考え方を子育てに応用しても、別にいいんじゃないかな、大事なところさえ守っていればって思いまして」
――なるほど!
ボ「たとえば、困っていることやイライラすることを紙に書き出して、どうしたらいいかを考えます。
たとえば、子どもって、保育園に行く時に、親的にはもう絶対あり得ないようなドレスとか着たがったりするじゃないですか。それをただダメと言うのではなく、どうすればこの欲求を満たしてあげられるのかと考えたんですね。
そこで、めちゃめちゃ飽きるくらい着せてあげればいいんじゃないか、それを夜寝るとき、お家でさせてあげればいいんじゃないか、と。家なら人目もないし、後は寝るだけだし、子どもはご機嫌だし、一石三鳥くらいあるなって思って」
――お子さんを叱らずにすむわけですね。
ボ「子どもに対して、なんでもかんでも愛情をもって一所懸命しなきゃいけないって考えを、できるだけ捨てるようにしています」
――愛情を持たねばならない、と考えるとつらくなりますよね。お話を伺っていると、日々、アンテナを立てて、楽しんで生活を送っているなかで育児のアイディアを思いつくことが多いのかな、と思ったのですが、いかがでしょうか。
ボ「そうかもしれないです。これ使えるかなって、わりといつも考えているかもしれません(笑)」
――少し前の部分に戻りますが、感情を挟まずに効率的にできることはそうやって処理して、それでも譲ることのできない大事なところというのは、どういったことになりますか?
ボ「遊ぶときは全力、とか。スマホ片手に、ああ、はいはいって感じで遊ぶことはしません。
寝かしつけのときも、全力って言ったらおかしいですけど、めちゃめちゃ愛情表現しながら、話したり、本読んだり、要所要所でママはあんたたちを愛してるよーっ!ていうのを出していきます。
保育園に預けている罪悪感もなくなったし、結局、一緒にいる時間より質だと思うので、ここは愛情かけるぞ!ってところにメリハリつけてかけています」
――ボンベイさん、集中力、ありそうです(笑)