そもそも、自己肯定感って?

これはスタート時点で確認しておくべきですが、自己肯定感という言葉は、若干誤解されているように思います。

「自分ですばらしい」、「キラキラしている自分」だから、肯定するわけではないのです。良いところも悪いところも、良くも悪くも言い難いところも含めて、ありのままの自分を認めてあげること。それが自己肯定感です。

自己肯定感をキラキラしたものだと思いこむことと、いつまでたっても自己肯定感は身につかず、そのことでよけい落ち込むことになりかねません。

そういった「自己肯定感迷子」にならないためにも、自己肯定感は正しく認識する必要があります。

自己否定グセを手放す魔法の言葉

だって、でも、どうせ、と口に出始めると止まらない人は、自己肯定感が低くなっている可能性があります。

自己肯定感は低かったら、ずっと低い、というわけではありません。工夫次第で、上げていくことも可能です。そのためのワークのひとつに、「それが今の私」を口癖にする、というものがあります。

子育てで悩んで、自分を責めてしまいそうになったら、「それが今の私」。夫から自分の子育てについてキツイひと言が飛んで来たら、「それが今の私」。口に出さずとも、心のなかでつぶやいてみてください。

明日の自分はちがうかもしれない、と希望を持てる言葉だと思います。こういったワークは、半信半疑でも、まず始めてみることが大事です。

人の思いなんて、変わりやすいもの。気分がよくなってきたら、先に紹介した自分が笑顔になれることをやるワークもやりやすくなるはずですよ。

離婚を最大の不幸ととらえなくもいい

両親の不仲は、子どもの心を切り裂きます。子どものために、ガマンして結婚生活を続ける人もいるかもしれませんが、無理はいつか破綻につながります。

「子どもは笑ってるパパとママが好き。でもパパもママも笑ってないのだったら、ママ(パパ)一人でも笑ってる方がいい」という本書の中の言葉に、ハッとしました。

最近では離婚数は増えたとはいえ、バツ1という言い方がまだあったり、とかく離婚にはマイナスイメージがつきまといます。ですが、親がガマンしても子どもは傷つくのであれば、いっそガマンせずに笑顔になれる道を選んでもいいですよね。

離婚が唯一の解決ではありませんが、DVなど、離婚を避けられないことが起きたとき、どうしたら自分の笑顔を取り戻せるかを考えることが、自分を、そして子どもを、さらには相手をも大事にすることにつながるのではないでしょうか。

昨今、本当に自己肯定感という言葉はよく聞きますが、実際のところ、なにをどうすればいいのかわからない、という方に、本書はオススメです。

子育てに自信のない夫婦とその子どもたち、そして夫婦を叱咤激励して自己肯定感アップへの道へと導くバーのママ(これが強烈なキャラ)が出てくるシナリオ形式で、物語が展開していきます。

とても読みやすく、すぐに試せるワークも載っていますので、ぜひお手に取ってみてくださいね。