12年間続けたバレー。「自分で点を取りにいく」スタイル

佐藤 僕は小中高と、ポジションはずっとセッター。12年間やっていたので、人生の約半分をバレーに費やしていることになりますね(笑)。

舞台で僕が演じる白布賢二郎は、「誰よりも目立たないセッターに俺は成る」というのをモットーにしているけど、僕はどちらかというと攻撃的なスタイルでした。

「ハイキュー!!」のキャラクターでいったら、及川徹みたいな。ツーアタックで決めたい。なんなら試合の一発目で決めたい。だって、誰も予想していない方法で点を取れたらかっこいいじゃないですか(笑)。

あと、サーブでも決めたいと思っていましたね。

セッターはトスを上げることが仕事なので、唯一自分で攻撃できるのがサーブなので。これは個人的な考えですが、「セッターが一番いいサーブを打つ説」を信じていて(笑)、実際、周りからも「サーブがいい」と言われていました。

中学生のバレー部は、白鳥沢のようなスタイルでした。ボールはエースに集めて打たせる。だけど、気持ちとしては「僕が決めたい」とずっと思っていました。

だから、一試合で一点は必ず点を取る、と。中学の県大会決勝、最後の一点を「サーブで決める」と思って、ちゃんとサーブで決めたんですよ(笑)。

烏野メンバーに負けず嫌いの性格を発揮して反省?

佐藤 初めて出演した“最強の場所(チーム) ”の稽古前、集まれるメンバーだけでバレーの試合をしていました。舞台上ではボールを使ってお芝居しないので、ボールの軌道が分かりにくいんです。バレー未経験だと特に。

ボールがない中、まるでボールがそこにあるように舞台上の全員が同じ一点を見ることは、すごく難しいんです。

だから、どう打ったらボールはどう移動するのか、実際にバレーをやってみると想像しやすくなるみたいです。みんなとバレーをするのはすごく楽しいです!

ただ、今考えると、かなりイキっていたので恥ずかしいですね……。僕が出たのはシリーズ6作品目。5作品出てきた烏野高校のメンバーに、思い切りスパイクをぶち込んじゃっていたので(苦笑)。でも、負けたくなかったんです!(笑)

苦労した白布賢二郎の役作り。稽古残り10日でやっと形に

佐藤 僕が白布の役に決まってから、“最強の場所(チーム) ”の情報解禁まで1年あったので、その間、「早く言いたい!」って毎日モヤモヤしてました(笑)。

だけど、稽古が始まったらダメ出しされまくり。実際バレーをやってきたように動くと、舞台上ではあまりきれいに見えないみたいです。

12年それでやってきた僕にとっては、何が間違っていて、何がダメなのか分からない。いろいろ試行錯誤しながら、「誰よりも目立たないセッター」という形ができたのは、稽古残り10日ぐらいだったと思います。本当に、白布の役作りには時間がかかりました。

だけど、今は、「とてもいいタイミングで僕は生まれたな」って。役者を始めて、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」に白鳥沢が出てくるタイミングでオーディションに受かって、白布賢二郎という役を演じられている。しかも、これまでたくさん積み重ねてきた烏野と一緒の舞台に立てるなんて!

出演する前に公演を観劇させてもらった時は、まさか自分が出られると思っていなかったから、あの舞台上に立っていたメンバーとお芝居ができたのは本当に嬉しかったです。

「白布賢二郎の役を演じるために生まれてきた」と、自信を持って言えるように“飛翔”公演も頑張ります!

佐藤信長(さとう・のぶなが)
1995年3月30日生まれ。2016年、パルコ・プロデュース2016『露出狂』で初舞台に立ち、2018年、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」“最強の場所(チーム) ”にて、特技のバレーボールを活かし、白鳥沢学園高校の白布賢二郎役を好演。また今年から、同事務所の2.5次元舞台などを中心に活躍する俳優7人で結成された、新感覚アーティストグループ『TFG』(ティーエフジー)としても活躍中。

【INFORMATION】
ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」“飛翔”(11月1日~12月15日)、舞台『宇宙戦艦ティラミスⅡ』~蟹・自分でむけますか~(12月27日~2020年1月19日)として舞台出演。また、TFG 2ndシングル『神さま お願い』(12月11日発売)をリリース。

女性向けWebメディアを中心に、ビューティーとエンターテインメント(主に舞台)の畑を行き来するフリーランス・ライター。2次元も3次元も作品のジャンル問わず、性別を超えた美しい人(&クセ強め)に心惹かれます。