©清水茜/講談社・体内活劇「はたらく細胞」プロジェクト 2019

白血球、赤血球、キラーT細胞、血小板、そしてインフルエンザ細胞感染ウイルス…。

体内と言う名の巨大工業都市で働く細胞や細菌たちを擬人化した人気漫画「はたらく細胞」を舞台化した「体内活劇 はたらく細胞」が、昨年11月に続いて、今年も帰ってきた!

フォトギャラリー【写真11枚】体内活劇 はたらく細胞Ⅱ

「はたらく細胞」の1人となる“観客いじり”

日々、凶悪なウイルスに狙われている体内でめまぐるしく働きながらも、どこかのほほんとした日常を描いた作品として、コミックのみならず、アニメやグッズなどもメガヒット中の人気作の舞台化。

いやが応にも注目の集まる本作だが、何と言ってもその魅力は観客いじり。

昨年は赤い服を着ている客は赤血球、白い服なら白血球とみなされてウイルスたちからいじられまくったのだが、今年はいい意味で「いじられる」の範疇を超越!

入り口で「ロビー細胞」たちから手渡される謎のオカメ型お面を受け取ったが最後、観客は一般細胞と化し、またまたウイルスたちの餌食となり、そしてキャストたちと同じ体内と言うステージで「はたらく細胞」の1人となる。

さて、観劇レポートの前にまずはキャストの紹介をしよう。

一新されたメインキャスト

©清水茜/講談社・体内活劇「はたらく細胞」プロジェクト 2019 撮影:浅水美保

2019年版ではメインキャストを一新。一生懸命なのにドジな新人赤血球を演じるのは、舞台セーラムーンのセーラーマーキュリー役として注目を浴びた川村海乃。

そして同じくメインキャスト、クールな態度とは裏腹に面倒見の良い白血球を演じるのは「弱虫ペダル」「刀剣乱舞」など超人気2.5次元舞台で引っ張りだこの北村諒だ。

初日公演を前に行われた囲み取材ではこんな意気込みを聞かせてくれた彼ら。

北村「やっと劇場に来られたなって感じですね。稽古場だと想像でやっている場面が多かったんです。

でも『体内活劇 はたらく細胞』はお客様と作るシーンだったりとか、空気感が大事だったりするので、今日からはお客様と一緒に完成に持っていけるんだなとワクワクしています! 」

川村「とにかくテンポがよく笑いがあふれる作品です。あとはお客さんいじり。インフルエンザがお客さんをどういじり倒すのが楽しみで仕方ないです! 」

©清水茜/講談社・体内活劇「はたらく細胞」プロジェクト 2019 撮影:浅水美保

そうインフルエンザウイルス役の高木俊を見つめてニヤリ。昨年に続いての登場となる高木は、そんな期待に応えるように不敵な笑みでメッセージをくれた。

高木「劇場が体内になっているので、1人1人が細胞になった気分で、暴れまわるウイルスから怯えたり、逃げたりする気持ちを楽しんでほしいです。

前回より、ウイルスチームが増えてますので、どういう感じで出てくるのか、発表されていないウイルスもいますのでぜひ劇場で楽しんでください! 」

緑色に染まった肌で襲う気マンマンのメッセージ。そんなことを言われてしまっては、楽しむしかない!

©清水茜/講談社・体内活劇「はたらく細胞」プロジェクト 2019 撮影:浅水美保

さて、もう1人、昨年につづいての登場となるキラーT細胞役の君沢ユウキ。ウイルスや細菌と日々戦う戦闘部隊として登場する彼は、眼光鋭くこう話した。

君沢「キラーT細胞としては、ウイルスを見つけたら2秒でぶち殺すという使命はありますが、殺し屋ならではの孤独さというか寂しさも描いてもらっているので、劇場で見てほしいです! 」

また本作では一般細胞も大活躍。演じる杉江大志は、君沢に「細胞界ののび太! 」と突っ込まれながら、穏やかな笑みでこう聞かせてくれた。

杉江「稽古場ではイメージでしかなかったものが、映像とか照明が入ってやっと形になったなと思っていますので、それを見てお客様がどんな反応を返してくれるのか楽しみでもあり、不安でもあり、ドキドキしています。はい、頑張ります! 」

他にも、凶悪なウイルスと戦う美しき殺し屋NK細胞に宮原華音、狂える凶悪犯がん細胞に山田ジェームス武、天真爛漫なサイエンティストB細胞に糸川耀士郎、自意識過剰な記憶細胞に北村健人など、個性豊かな細胞たちを若き先鋭メンバーが担当する。

 

さて、取材も終えていざ劇場へ。小脇に謎の巨大オカメお面を抱えながら席に着くと、まず驚かされるのがステージの上に複雑に配置された壁の多さ。体内をイメージした工業都市の一部ということはわかるが、なぜこんなにも壁だらけなのか?