4.1~2度食べなかったからと言って嫌いだと決めつけない

柿田「子どもがベーっと口から出して食べなかったり、口を開かなかったりすると、『この食材が嫌いなんだ』と食卓に登場させなくなっていませんか?

たまたま“食感が悪かった”のかもしれないですし、“食欲がなかった”のかもしれないですし、“固さが好みでなかった”のかもしれないですし、理由は一つとは限りません。

いろんな形で根気よく食卓に登場させて、少しずつ慣れていけばいいという気持ちで取り入れていってくださいね」

野菜を使う離乳食についてのよくあるママの悩みと解決策!

ここで、よくある野菜を使った離乳食にまつわるママの悩みについて、柿田さんに解決策を教えていただきました。

1.「せっかく作ったのに食べてくれない…」

●離乳食時期は「食べることに慣れる時期」

柿田「せっかく作った離乳食を食べてくれないと、悲しかったり、栄養バランスや成長のことが心配になったりしますよね。

私も手や足がよく動くようになってきた息子が、離乳食を丸ごとちゃぶ台返しのようにひっくり返し、愕然としたことがあります。

でも食べないからと言って無理に口に運んだり、怒ったりすると逆効果。食べること自体を苦手になってしまう可能性もあるのです。

離乳食期には確かに授乳では補えない栄養素を食事から徐々に取り入れていくという目的もありますが、何よりおっぱいやミルクだけを『吸う』お口から『噛んで食べる』お口に育てる時期でもあります。

離乳食は『食べることに慣れる時期』なので、食べないお野菜がいくつかあっても、同じような栄養素を摂れる別のお野菜が食べられていたらいいか、今日は気が乗らないのかなど、『食べさせる』ことに気合を入れすぎず、うまく息抜きして接してあげてくださいね。

“ベビーフードのお野菜なら食べる”だったら、そのメニューを参考にしてみるのもいいですね。

それでも成長が心配、という方は成長曲線に沿って成長しているか、定期的にチェックしてあげてください。

枠内で下のほうでも、その子なりのスピードで成長していれば大丈夫。しばらく成長が止まってしまっているなどが心配な場合は、医師に相談してくださいね」

2.「好き嫌いが激しい!」

●子どもの味覚と人間の本能を知る

柿田「舌の味蕾細胞で感じる基本味『甘味・塩味・酸味・うま味・苦味』のうち、甘味を感じているときはエネルギー源、旨味はタンパク質、塩味はミネラルのシグナルとして人間が本能的に好む味となります。

一方で酸味は腐敗物、苦味は毒とであるいうシグナルと解釈されていて、本能的に苦手になりやすい味となります。

このように味を感じることによって、身体に大切な栄養素であるかどうか、危険な食べ物か判断する基準になるようです。野菜にはこの苦味や酸味を感じるものもありますよね。

大人よりも敏感に食べ物の味覚を感じ取ることができる赤ちゃんや子どもにとって、苦味や酸味は食経験によって好きになっていく味なので、食経験の浅いこの時期に嫌いな味の対象となってしまうのは、仕方のないことなのかもしれませんね。

繰り返し食べることにより“食べ慣れた味=好きな味”に変化することもあるでしょう」