スピード感のあるロックを中心に構成する中、緩衝材になったのはアコースティックコーナーだ。ジョンフン、スンヒョンがアコースティックギター、ジェジンはウッドベースを演奏。なつかしの『SOYOGI』も良かったが、何といっても『LIFE』が絶品。オリジナルと全く違う暖かなアレンジに、徐々に高まっていくホンギのボーカル。そこに柔らかなジェジンの歌声が絡む。大人になったFTISLANDの人生の捉え方がアレンジに現れたようだ。ペンライトを振るのも忘れ、聴き入っているファンの姿も印象的だった。
終盤は、7月に韓国でリリースされた6thアルバム『Where's the truth?』を核としたコーナーでスパートをかける。ここでもファイナルならではの『Stand By Me』と『PRAY』が追加に。『Stand By Me』のジョンフンのブルースギターと、『Out of Love』のミンファンのドラムソロが秀逸だったが、プレイヤーとしてスキルをしっかり見せてくれるのもうれしい。
FTISLANDの韓国楽曲は昨年の5thアルバムから全曲自作曲となったが、日本曲のポップさに比べると、ハードな曲が多い。このバランス感もライブで絶妙な塩梅を生み出す。日韓両国での活動の反芻が、彼らの成長の糧となっているのが感じられる。
大きな“FTISLANDコール”に促されたアンコールは、『未体験Future』からスタート。ゆったりとしたジョンフンのキーボード、ミンファンとジェジンのリズム隊、スンヒョンのディストーションギターが順々に重なってテンポを加速していくイントロに「もう1回遊ぼう!」というホンギの声が合流し、会場全体がスパーク。一瞬にして再び興奮のるつぼと化す会場。