3. 決定事項は、点数をつけて決める
アイデアを出し、各アイデアのメリットやデメリットを出した後は、決定事項をまとめなければいけません。
決定事項をまとめる際は、『点数制』にすると、揉める事なくスムーズにまとまると、沖本さんは指南してくれています。
出たアイデアのメリット、デメリット、そして策を見比べながら吟味し、お互い決めた範囲内でそれぞれに点数をつけていきます。
アイデアが5つ出たなら、一番良いと思うアイデアに10点、二番目に良いと思うアイデアに7点、三番目に良いと思うアイデアに5点、四番目に良いと思うアイデアに3点、五番目に良いと思うアイデアに1点…という具合です。
そうして点数を集計し、一番点数が高かったアイデアが決定事項です。このようにすると不公平感なく、スムーズに話し合いがまとまります。
この方法だと、子どもにもメリットが!
このように紙に書きながら、点数をつけながらやっていると、そばで見ている子どもはきっと「パパとママ、楽しそうなことをしてるな~」と思いますよね。
「子どもには夫婦の話し合いは聞かれたくない…」という方も多いかもしれませんが、このような話し合いなら、いくらでも聞かせてあげられると思いませんか?
また、親が話し合いをする際、このようなやり方で行っていると、子どもは自然に対立しない話し合いの技術を身に付けることができます。多面的に考える思考力も身に付きます。
ちなみに、紙に書いた話し合いのメモは、残しておくといいと沖本さんは言います。
家族の思い出のひとつになるからです。いわば“家族の歴史”ですね。
また、万が一、決まったことを夫がやらなかったりしたとき、「そういえばあのときの話し合いで、あなたこう言ってたわよね…」と言うこともできますね。
今回沖本さんが教えてくれた話し合いの技術は、夫婦の話し合いだけではなく、子どもが大きくなって進路など家族で話し合う必要が出てきたとき、町内会の会議、PTAの話し合いなど、あらゆる場面で使うことができます。
このような“対立しない”円満な話し合いができる場が増えれば、対人関係のストレスってきっと大きく軽減されるし、人間関係も良くなっていくのではないでしょうか。
ぜひ活かしていきたいですね。
取材協力:沖本るり子(株式会社CHEERFUL 代表)
『相手が”期待以上”に動いてくれる!リーダーのコミュニケーションの教科書』(同文舘出版/2014)、『出るのが楽しくなる 会議の鉄則』(マガジンハウス/2012)『リーダーは会議で姿を消せ!』(ぱる出版/2011)、など著書多数。
「だらだら、イライラ、まとまらない」対立会議を2500時間体験したことを活かし、プレゼン、リーダー、コミュニケーション力などを向上させる「5分会議で人財育成」を開発。企業研修や講演活動、個人向けセミナーを行っている人財育成・組織活性化のコンサルタント。