未就学児の子を育てるママが、近いうちにフルタイムで働きたいと考えるなら、備えておきたいことの一つが面接への対策です。
特に仕事と子育ての両立について尋ねられたら、どのように答えるのがいいのか気になりませんか?
そこで今回は、国家資格であるキャリアコンサルタントの中尾あずささんに、面接で聞かれることや、その理想的な回答などをアドバイスいただきました。
子育て中のママが再就職を目指すに当たって
まずは、子育て中のママが再就職を目指すに当たって、現在の状況やアドバイスをいただきました。
中尾あずささん(以下、中尾)「面接は、採用者を選ぶ場ではありますが、お互いが長く良い関係でお付き合いできるかを見極める場でもあります。
どうしても入りたい会社、やりたい仕事があった場合に、『何とか無理をしてでも働きたい』という気持ちになることもありますが、ママの場合は働き始めると、なかなか自分一人だけではどうにもならないケースも発生します。
子どもがいないときと比べると、企業選び、仕事選びは慎重にならざるを得ないでしょう。とはいえ『働きたい』という気持ちがあれば積極的にチャレンジするべきです。
売り手市場の今、企業は人が足りていません。また世の中に、とても優秀な女性がいることも企業としては理解しています。優秀な女性がママであっても、任せたい仕事はたくさんあります。
ですから、環境を整えられたらどんどんチャレンジしていってほしいと思います。
子育てと仕事の両立は決して楽ではありませんが、収入面でも、キャリア面でも、ゆくゆくは子どもから見たときの自立した母親像としても、メリットはとても多いと思いますよ」
子育て中のママの「企業選び」のコツ
面接対策の前に、前提として重要になるのが、応募する企業選び。子育て中のママが働きやすい企業を選ぶコツについて、中尾さんは次のように話します。
中尾「企業選びの際には、ママ社員の割合など、ママ社員を積極的に採用している会社かどうかを調べておくと良いでしょう。求人サイトによっては、事前に女性の比率や子育てママの割合などが分かる媒体もあります。
子育てママが在籍している場合、結婚や出産を経て子育てママになったケースもあれば、新たにママが採用されたケースもあります。その辺りも含めて、応募する際に事前に調べられる範囲でリサーチすることはおすすめです。
また仕事の内容や体制については、面接で確認したほうが良いでしょう。
ポイントは自分がいないと回らない業務なのか、他にフォローし合える体制が整っているのか、在宅勤務やリモートワークなどが使えるかどうかなどです」
子育て中のママは面接で何を聞かれる?
めぼしい企業が選定し、応募を進めたら、早速、面接対策を行っていきましょう。子育てママが面接でよく聞かれることにはどんなことがあるのでしょうか? 中尾さんは次の項目を挙げます。
- 急な子どもの体調不良などの場合、どうするか?
- 前職の退職の理由が出産などが理由の場合、どうして退職したのか?
(さらに詳しく理由を聞かれる場合あり) - 長期休み(春・夏・冬休み)なども通常通り仕事ができるか?
- 残業や土日出勤が発生した場合に対応できるか?
- 転勤は可能か?
- 日帰りや宿泊を伴う出張は対応可能か?
- 子どもが手がかからなくなった頃、仕事はどうしていくか?
中尾「これらの質問については、事前にご自身でしっかりと回答を考えておく必要があります。
その上で、ママとして子育てと仕事を両立していくのは、ママ一人ではかなり大変だという前提を踏まえて、支援体制を整えることが重要です。
夫やパートナー、両親などや地域のファミリーサポート、ベビーシッター、病児保育施設、協力し合えるママ友など、いくつかの協力先の確保は事前に整えておく必要があると思います。
そして、面接ではなるべく仕事に穴を空けない体制を整えていること、仕事に対しての責任感の強さや想いをしっかり伝えたほうが通りやすいでしょう。
また、短期的、中長期的なキャリアイメージも事前に考えた上で面接で伝えられると良いと思います」