デメリットをカバーするには

分析してみると、メリットは裏を返せばデメリット。デメリットは裏を返せばメリットのように見えます。

そこで、一人っ子に不足しがちなことを補う工夫をしましょう。

異年齢の子どもがいる環境に入れる

家庭で異年齢の兄弟姉妹で接することが少ない分、次のようにしてみるのもよいかもしれません。

  • 幼稚園、保育園選びのとき縦割り保育(異年齢が同じ空間で保育を受ける)をしている園を選ぶ
  • 親しいママ友の家に月に一回くらいお泊りをして、大勢の子どもの中で生活させてみる
  • 親戚でいとこがいたら、出来るだけ交流を持たせる

児童館、公園に連れて行く

児童館や公園に連れて行って、他の子ども達と触れ合う機会を意識的に増やすことも必要です。でも、せっかく目的があって連れて行ったのにも関わらず、次のようにしては意味がありません。

  • 喧嘩もしていないうちに「うちの子は普段、集団に慣れていない。だからトラブルを起こしては大変だ」と最初から「喧嘩しないで仲良く遊ぶのよ」と釘を刺す。
©あべゆみこ
  • 子ども同士喧嘩になったときも「やめなさい、仲直りしなさい、譲ってあげなさい」と直ぐに出てきて仲裁する
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こんな風に親が先回り先回りしてしまったら、せっかくのコミュニケーション能力や社会性が育つ機会がなくなってしまいますね。

経験できない諍いをあえて体験させましょう。そばにいて見守るだけで、後は子どもたちに任せて放っておきましょう。

欲しいものがあっても我慢させる

抱っこしたり、スキンシップしたり愛情をたくさんかけてもらえるのは一人っ子のメリットです。甘えられるよい環境です。

けれども、欲しがれば玩具を湯水のごとく与える、菓子を好きなだけ買い与えるなど、なんでも要求を聞いたりする愛情表現は、甘えさせてやることではなく、甘やかしです。

また、子どもが欲しいとねだってもいないのに、あれこれ玩具や菓子を買い与えると“飢えてほしがる体験”ができなくなり、物欲が乏しくなってしまいます。

親がその役割を演じる

ママがきょうだいの役割を演じましょう。

例えば、おやつにショートケーキとモンブランを買ってきた時、きょうだいがいたら「私はショートケーキがいい!」「僕もそれを食べたいのに!」と喧嘩になります。

一人っ子の場合はこういうチャンスがないです。ですから、いつも優先権を子どもに与えず、子どもが取ろうとする前にさっと「ママ、イチゴ好きだからショートケーキ食べる!」と言って取ってしまいましょう。

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また、たとえば外食のときに子どもが「マクドナルドに行きたい」と言っても、「ママはお蕎麦を食べたいから今日はお蕎麦屋さんに行くよ」と断りましょう。

なんでも自分の思い通りにはならないことを、あえて経験させるのです。

まとめ

二人目不妊、ママの仕事の復帰、経済的事情、親の価値観など、ざまざまな事情で一人っ子にならざるを得ない状況があります。「一人っ子だからわがままになる」と決めつけないで、それをカバーする環境を与えてやればいいのです。

兄弟姉妹が多くてもわがままであったり、全く競争心がない子もいます。要は各家庭の対応の問題なのです。今ある環境で、出来ることから始めてみましょうね。

<参考>小学館ファミリーネット「少子化特集 [1] 「産まない人」が増えてるの? 「産む人数」が減ってるの?」